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『扇の要』はエースの女房役

めざせ甲子園、10校目のきょうは、この夏の第1シード・糸満高校です。春季県大会優勝、九州大会ベスト4と実力、実績、ともに文句なしのチームには、自分のポジションに誰よりもこだわりを持つ選手がいました。

春季大会決勝、最後の投球。春季県大会、糸満で最後の指揮となった上原忠監督の花道を飾ろうと、チーム一丸で優勝を果たした糸満高校。第1シードとして夏に挑むチームには4月から真玉橋治新監督が就任、臨んだ九州大会ではベスト4入りし、自信をつけています。

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大城翔太郎主将「九州大会で試合をしてきて、監督とのコミュニケーションも取れて。監督も自分たち選手の気持ちをわかってくれていたのでよかったです。」

真玉橋治監督音「前こい!ほらぁ勝負だよ、弱いぞ勝負の時そこが〜」

上原前監督から教わった技術・戦術に、真玉橋監督が重視するメンタルの強さが加わり力を増すチーム。打線では、春季大会チーム1の打率を残した大城翔太郎が、不動の1番でチャンスメイク。3番・徳元ジンから始まるクリーンナップでランナーを返すのが攻撃パターン。

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その得点を守るのが投手、平安常輝。一冬走り込み、下半身を鍛えあげたエースは春季県大会ではすべて先発し、6試合でわずか自責点2、防御率0.38と圧巻のピッチングを披露しました。

そのエースを支えるのが、女房役の桃原虎雅です。野球を始めた小学校3年生からずっとキャッチャー。桃原はこのポジションにこだわりを持っています。

桃原虎雅選手「『キャッチャー』は小学校からついていて、『キャッチャー』をしている先輩たちの姿を見て憧れますし、『キャッチャー』というのは全ポジションの中でも1番大切なポジションなので、入学前から『キャッチャー』しか考えていなかったです。」

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バッテリーを組む平安とはプライベートでも仲良し。そこにもこんな理由が…

桃原虎雅選手「(入学時から)あいつが自分らのエースになるって感じて、最初からコミュニケーションをとって、仲良くしておかないと。」

レギュラーキャッチャーになるために、エースとの相性が大切だと考えた桃原が積極的に話かけたというのです。

平安常輝選手「けっこう面白い人でどんどん声かけてくるんで自分も話安かったです」桃原選手「こいつが大物になると思っていて、話かけておいた方がいいかなと思って」

そこまでして、こだわったキャッチャーというポジション。その桃原にとって試練となったのが去年の秋、ケガもあって外野への守備替えでした。

桃原虎雅選手「自分は秋、キャッチャー座る気満々だったんですけど、外野で見ていて、キャッチャーが遠くから見ていても素晴らしくかっこよくて…」

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平安常輝選手「外野に離されている期間は、桃原には必ずキャッチャーに戻って来いと。自分は桃原しかなかったので」

キャッチャーに必ず戻る。全体練習が終わると自主練習を繰り返す日々が続きました。

桃原虎雅選手「自分はやっぱりキャッチャーが良かったので必死に練習していました」

その努力は春に実ります。送りバント阻止に、盗塁阻止と守備の要としてチームを牽引。さらに打者としてもホームランを放つなど、攻撃でも活躍しました。やはり、こだわりは変わりません。

桃原虎雅選手「バッティングも打席に入って楽しいんですけど、やっぱりここに座って常輝のピッチングをとるのが最高に楽しいです。」

糸満の扇の要はこれで磐石!2年連続、夏の決勝で涙を飲んだ糸満ナイン!この夏はてっぺんまで駆け上る!

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大城翔太郎主将「3度目の正直ということで甲子園で校歌を歌いたいと思います。」

平安常輝投手「桃原とまた一緒に優勝して、これからの野球人生にもつなげていきたいです。」

「絶対甲子園いくぞ!よぉし!!!!!」

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