2016年5月17日 18時40分

Q+リポート 沖縄から安保法を考える

Qプラスリポートです。「安全保障関連法」が施行されてまもなく2か月。11本の法律をひとつにまとめて成立されたこの法制の中で、自衛隊の任務が大きく変わりました。

中でも、アメリカ軍をはじめ、外国軍への後方支援が可能とされ、「後方支援活動」の名のもとに、輸送、医療、通信、空港及び港湾業務、基地業務、宿泊などが、有事の際には、国の任務のために、優先的に利用されるとあるのです。

県内の港で働く人たちの中から不安の声が上がっています。

全日本港湾労働組合沖縄地方本部山口順市執行委員長「(自衛隊の戦闘機が突然飛んで来る)今聞こえますよね、戦闘機飛んでいるじゃないですか」

山口順市さん。県内の港で荷物の積み下ろしなどの仕事をする山口さんは、自衛隊の役割を大きく変えることとなった安保法が実際に運用され始め、今、大きな不安を感じています。

Q+リポート 沖縄から安保法を考える01

全日本港湾労働組合沖縄地方本部山口順市執行委員長「2、3年前からすると(自衛隊関連の輸送は)非常に増えているというのが実感です。特に、先島。本当にこれからやっていけるのか、自衛隊優先になるのではないか、非常に危惧されている」

去年9月「安全保障関連法案」が成立。

政府は、従来の憲法の解釈を変え、日本が攻撃を受けていない場合でも、「集団的自衛権」の名のもとにアメリカ軍をはじめ、外国軍への後方支援や弾薬の提供などを可能としました。

その中で、医療、通信、空港や港湾業務などは、有事の際、「優先的に利用させるよう要請することができる」と定められているのです。

全日本港湾労働組合沖縄地方本部山口順市執行委員長「安保法制が出来て、私どもは戦争に加担をしないといけないように置かれた時に、本当にそれをやるのかと」

72年前、山口さんが今抱く不安が現実になった出来事が、実際に沖縄で起こっていました。

Q+リポート 沖縄から安保法を考える02

沖縄戦が始まる前の年、民間の船である「対馬丸」が軍に徴用されアメリカ軍の攻撃によって撃沈。学童783人を含む、1400人が犠牲になりました。

元航海士・長嶺翔さん「有名な対馬丸は、私が前に務めていた日本郵船という会社が軍に協力して徴用された船で」

長嶺翔さん。航海士としておよそ8年間、日本からヨーロッパやアフリカなどを結ぶ船で仕事をしてきました。

去年8月に会社を退社した長嶺さんですが、その1か月後、安保法が成立。再び、あの過ちが繰り返されるのではないか、不安を抱いています。

元航海士・長嶺翔さん「やはり運輸は戦争とは切り離せないことなので。軍事作戦に協力して、犠牲者を出してしまうということは考えるといたたまれない。歴史をくりかえしてしまうのかという思いですね」

憲法に詳しい琉球大学の高良鉄美教授。安保法は憲法で保障されている「苦役に服されない」権利などを侵害しているとしてきます。

Q+リポート 沖縄から安保法を考える03

琉球大学・高良鉄美教授「他国の民衆への軍事的手段による加害行為にかかわることなく、自ら平和的確信に基づいて平和のうちに生きる権利ですね。こういう状態だから我慢しなさい。こういう状態だから協力しないといけないよと言うのが一番大きな問題なんですね」

港で働く山口さん、安保法に先立ち、3年前に成立した「特定秘密保護法」により更なる懸念も生まれているといいます。船に何が積まれているのかを秘密とされてしまえば、知らず知らずのうちに、協力させられる可能性があるからです。

全日本港湾労働組合沖縄地方本部山口順市執行委員長「船に積まれている自衛隊の車両がいくつなのか、台数がいくつなのか、そのこと自体も秘密保護法だよと言われてしまえば、私たちは声を上げることができないわけですから」

安保法施行から2か月。「危機」の名に元に、いつどんな協力を求められるのか、誰にも分かりません。

Q+リポート 沖縄から安保法を考える05

全日本港湾労働組合沖縄地方本部山口順市執行委員長「アメリカ追従すると戦争しかしないので、そこにまた加担をして、僕らどうなっていくんだろうなって感じます」

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