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15-08-28-03

旧盆の帰省客を襲った事故でした。8月28日朝、那覇を飛び立ち乗客11人を乗せた飛行機が粟国空港で着陸に失敗、機体が破損しました。運輸安全委員会は、あわや大惨事の可能性があった重大インシデントとして事故調査官を29日粟国島に派遣します。

粟国空港上空から石橋記者は事故の様子を見て「あー、前の方も、機体が壊れている。頭の部分」と言葉を漏らしました。

事故を起こしたのは、那覇発粟国行きの第一航空101便、ツインオッター機です。第一航空によりますと、28日午前9時前、粟国空港に着陸した際、滑走路を外れ、滑走路脇のフェンスに衝突したということです。

当時機内には乗客11人、乗員3人の合わせて14人が乗っていて全員が打撲などを訴え診療所に搬送されました。お盆で帰省したという乗客の話からは、一瞬にして混乱した機内の様子が伝わってきます。

小型機に乗り合わせていた乗客は「着陸した時はちょっとドンとした感じがして」「かなりスピードが出てるなっていう感じだったんですよ。このスピードで、止まれるのかなって一瞬思ったら、なんかもうどんどん右の方に飛行機が、ハンドル取られるというか、右の方にこう曲がっていって、もうこれはオーバーランだ、ぶつかると思って、前の方にもうなんか、緑の草むらみたいなのが見えたら、もう一瞬ですね」

「私は、前から2列目に乗っていたから気づかなかったんですけど、後ろに乗っていた乗客の方は、白い煙が出てたって言ってました」「後ろの人の荷物とか、隣の人のカバンとかが落ちたりとか、後ろの人の履物?スリッパが前の方まで転がってきてましたね。」

「私はちょっと左足のすねを打撲したんですけど周りの人は、年配の方とかは、何か首が痛いとか、脇腹の方が痛いという人もいましたけどでもみんな、自分の足で歩いて降りれるような状況ではありましたけど」「降りてからは、第一航空の方たちが、飛行機から離れてくださいって、荷物とかは後で下しますから、何か、燃料が残っているから引火とかしたら危ないので、飛行機から離れて下さいっていう風に誘導してました」

「8月からせっかく新しい飛行機が飛んだんですけどね。なんかこんなことになるとは。っていうかもう(飛行機には)乗りたくないですね」と事故当時の状況を話しました。

一方、午後には、事故を起こした第一航空が会見を開きました。第一航空・吉津美登志運航部長補佐は「副操縦士の方が機長訓練をやっておりましたので、副操縦士が着陸操作を実施している」「最終的にはブレーキで減速しますので、左席の副操縦士ですが、ブレーキ操作を開始したところ、ブレーキに違和感を感じたと。で、機長のほうもギギッという音を聞いて、機体が右に変向し始めたので」「(急きょ機長操縦に代わって)回復操作をしましたが、回復することなく右側にそれたままで滑走路を逸脱してしまったと」

今回事故を起こした機材は、国と県から19億円の補助を受け8月2日に就航したばかりで、沖縄本島から60キロ離れた粟国島では新しい導入した旅客機に大きな期待が高まる中での今回の事故でした。

今回を事故を受け、国土交通省の運輸安全委員会はあわや大事故になりかねない「重大インシデント」と位置づけ、あす粟国島に事故調査官を派遣して調べることにしています。