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1972年の沖縄返還の際に日米間で交わした密約について、政府関係者として初めて証言した元外務省のアメリカ局長吉野文六さんが29日、亡くなりました。96歳でした。

吉野さんは、沖縄の本土復帰の返還交渉の中で本来、アメリカ側が負担するべき費用を日本側が、肩代わりした密約の存在があったとし、2009年には、「沖縄返還協定の文言と実際は違う」と法廷で初めて認めました。

2009年12月、生前の吉野文六さんは裁判後インタビューで「過去の真実を追究しようという、そういう努力を続けていくことが、日本の将来のために非常に有益なことだと私は信じるようになりました」と語っていました。

吉野さんは、29日、肺炎のため横浜市の自宅で亡くなったということです。