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きのう公示された衆議院選挙。きょうは、唯一3つ巴となった沖縄1区の構図と、候補者の訴えをお伝えします。

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那覇市や久米島と言った周辺離島など8つの市町村を選挙区とする1区。前職と元職の合わせてごらんの3人が立候補しています。

共産党公認の赤嶺さんは、翁長新知事を誕生させた勢力の支援を背景に、辺野古基地建設やオスプレイの配備に反対する「建白書」の実現を訴えています。

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赤嶺政賢候補「普天間基地は建白書にあるとおりに閉鎖して撤去せよ。この大きな世論もこの総選挙で示していこうではありませんか」

また、辺野古移設容認に転じた県選出の自民党国会議員を公約違反だと主張し、辺野古への基地建設を粛々と進める安倍政権とも対決姿勢を鮮明にしています。

前赤嶺政賢候補「これが民主主義の国家がやることかということが問われてますので、安倍内閣の暴走にストップをかける。特に辺野古の新基地建設計画にストップをかける。これが大きな戦いの争点になっていくと思います」

そして自民党公認の國場さん。経済が今回の最大の争点だとして政権与党の強みを生かした経済振興の重要性を訴えています。

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國場幸之助候補「島嶼経済という不利益性を変えていくための空港政策、観光産業、物流。そういう社会資本の整備というものが、最も重要であると」

一方で普天間基地の辺野古移設については、県外移設を求める県民の思いを大事にしたいとしながらも移設容認の考えを示しています。

前國場幸之助候補「普天間の基地をそのまま放置するということは、政治責任において真剣に取り組んでいかないとならない」「一日も早い運用停止が大事なことでありますので、私自身はすべての可能性においてその取り組みに真摯に対応していきたい」

そして返り咲きを目指す維新の党公認の下地さん。知事選では「県民投票」の実施を掲げたものの、県民の意思は示されたと辺野古への移設の「中止・撤回」を掲げています。

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下地幹郎候補「沖縄の基地問題を前進させる。普天間の辺野古の移設問題を変えさせる。その力を東京でやる力を、私にお与えください。お願い申し上げます」

下地さんは、知事選と同様に、沖縄の貧困や教育問題などに取り組むとし、自らが日米両政府との交渉の先頭に立ちたいと訴えています。

下地幹郎候補「翁長さんが51%を取り、投票率が64%越えたというようなことからすると、この民意をワシントンや日本政府にどうやって伝えていくのかとこういうことを誰が出来るのかと、そういうことを問われる選挙になるだろうなと」

1区の構図を巡っては、翁長新知事誕生の追い風に乗る形で、選挙戦を展開する赤嶺さん。しかし、一部でほころびも見られます。共に戦った保守系の那覇市議会新風会は、選挙応援を各市議にゆだねる決定をしています。

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那覇市議会新風会金城徹会長「今回の衆議院議員選挙というのは、政府を選ぶ選挙ですよね。政党。おのずと(選挙の)性格も違ってくるので、応援の仕方は、それぞれ(の市議)に任せて頂きたいと」「我々は我々が出来る範囲内で、応援していきましょうということで」

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また、「反自民」を打ち出す民主党県連。2区と3区では、翁長さん側の候補者の支持を決めたものの、1区では「非共産」の考え方から、下地さんとの歩み寄りの動きを見せています。

しかし、その下地さんが立候補したことで、國場さんは、一部保守層を取り込まれるとみられていて、赤嶺さんについても、下地さんが辺野古への基地建設を巡り「中止・撤回」を訴えたことで、支持層への影響が懸念される格好となっています。

その一方で、自民党の國場さんには、知事選では、辺野古反対の立場から自主投票の判断を示した公明党が、今回は、政党選挙、比例区での選挙協力を優先し、推薦をいち早く出しました。

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公明党県本部糸洲友則代表「衆議院選挙そのものが政権の担い手を選ぶ選挙なので、自民党、公明党の連立政権である以上は、それはパートナーとして選挙協力をしていくというはごく自然の成り行きであると」「確かに基地問題も争点の一つだろうけどそれが全てではないし」

3つどもえの選挙となっている沖縄1区。辺野古への基地建設を巡るスタンスの違いや政党の思惑が交錯し、それぞれの候補者に追い風と逆風が吹いていて、誰が有利なのかつかみにくい複雑な構図の注目の選挙区となっています。

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