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シリーズ「沖縄の岐路」です。予定候補者の政策発表が行われた那覇市長選挙。今回は知事選との「セット戦」とも言われていますが、市民はこの選挙の争点をどう考えているのでしょうか?

前の那覇市長である翁長さんの知事選への擁立が決まって間もなく、那覇市議会最大の保守会派「新風会」や、かりゆしグループの平良代表を中心に、那覇市長選の候補者選考委員会が発足しました。数回にわたる選考委員会の結果、

平良朝敬選考委員長「翁長市長の継承と知事選と市長選の車の両輪で闘える方と判断し決定しました」

翁長前市長の右腕として副市長を務めてきた城間幹子さんを擁立。城間さんは翁長前市長の「後継者」として出馬を表明しました。

城間さん出馬表明「私は今日まで市の職員と共に翁長市長の考えをこの耳で聞いてまいりました」「翁長市政からのバトンタッチであると共に翁長市長の元で築かれてきた県都としての風格を市民の皆様と共に更なる高みを目指していくことであります」

一方、仲井真知事の3選出馬を後押しした自民党県連も、9月に入ると選考委員会を開き、県連副会長で県議会議員の翁長政俊さんを候補者として擁立を決めるも…。

翁長政俊県連副会長「今回は辞退をしたい」

翁長副会長は出馬を固辞。その後、再選考の結果、仲井眞知事と共に県政運営に務めた前の副知事である与世田兼稔さんの擁立に落ち着きました。

国場幸之助選考委員長「市内に太い人脈を形成している短い選挙期間中に即戦力となる」

与世田さんも、自分こそが翁長市政の後継者だとし、出馬を表明しました。

与世田さん出馬表明「前市長が築き上げた市役所は最大のサービス産業という理念を断固として守り発展させるべく立候補することを決意した次第」「私こそ翁長前市長の正当な後継者であると自負しています」

互いに「後継者」をアピールするものの、知事選最大の争点となっている「辺野古移設問題」についてはそれぞれの主張は大きく異なります。

城間さん「私の市長選への出馬は知事選の枠組みでとらえていますので」「普天間基地の辺野古移設は反対です」

翁長さんの政策と同じく、「辺野古移設反対」を明確に掲げる城間さん。

一方の与世田さんは、「仲井真さんが職務を実行したこと」と述べ、辺野古移設への明確なスタンスには言及しませんでした。

与世田さん「この承認で終わっているので反対とか何とか言える立場にはありません」

那覇市民は今回の市長選をどうみているのか、先週、「那覇市長選挙で最も重視する政策」について聞きました。

教育・福祉を重視する女性「子どもが二人いるので働きながら子どもが楽しく生活できるように環境が整えば。医療費もかかるので3歳からかからなくなるように」

経済・観光を重視する男性「東京にいって戻ってくる度に所々発展しているなとは思うんですが、まだ一部だなと思うのでもっと全体的に発展してくれればと」

基地問題を重視する男性「今から作って永久に使われたら将来の子ども達のためにもならない。(Q.知事選と市長選は同じ争点ですか?)同じ。同じ争点」

50人に聞いた結果、「教育福祉」の政策を重視する人が最も多かったものの、「基地問題」に対しても多くの人が注目していることがわかりました。

教育者として長年人材育成に励んできた城間さん。弁護士として多くの人脈を持つ与世田さん。その行方が注目されています。那覇市長選挙の告示は今月9日。投開票は知事選と同じ16日に行われます。

これまでの那覇市長選挙ではなかなか争点になりにくかった「基地問題」ですが、今回は、同日選挙となる知事選で「新基地建設問題」が最大の争点となっていることから、那覇市長選の争点としても関心が高まっているようです。