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先週、宜野座村松田区で撮影されたアメリカ軍の訓練。ヘリコプターが吊り下げているのは、軍用車両でした。住宅地のすぐそば、人々が畑仕事をしている真上で、危険な訓練が行われていたのです。

村の面積の半分以上をアメリカ軍施設が占める宜野座村。村内には16カ所のヘリパッドがあります。中でも松田区には5カ所が集中し、毎日のように激しい訓練が行われています。そんな松田区で、この春、新たな問題が持ち上がりました。

松田区・松田区長「ここからだと500メートルはないと思いますよ。方向的にはこの方向ですかね。500メートルはないと思いますね。」

フェンスの向こうにあるのは、スターリングと呼ばれるヘリパッド。スターリングはこれまで飛び地のようになっていましたが、アメリカ軍は今年3月、地元に何の説明もしないまま大規模な森林伐採を行いヘリパッド用地を造成したのです。これにより面積は0.9ヘクタールから2.1ヘクタールと2倍以上に拡張されました。伐採された木は約6000本にも上ると見られています。

宜野座村企画課 新里課長「宜野座村には潟原ダムというのがあって、そこの管理を村の職員がやっている。その際、重機がある状況とかを、3月中旬に発見して、何らかの工事がされているということで、いったん村は防衛局に対し問い合わせをしたんです。ちょっとした維持管理の工事だというのがあったので、その程度かという認識だったんですが、5月に入って大規模な工事がされていると。」

アメリカ軍がオスプレイの配備に際して作成した環境レビューでは、スターリングの使用は420回から14回に減ると記されていました。使用頻度が減るのになぜ、面積を2倍以上に広げる必要があったのか。地元の人たちはこんな疑いを持っています。

松田区・松田区長「ヘリが1機、2機、訓練するような格好になるんじゃないかね。今は1機でホバリングするけど、広くして2機やるんじゃないかね多分、基地機能の拡大じゃないかと思うんですが。」

松田区は辺野古のすぐ近く。Ⅴ字型の滑走路が完成した場合、その延長線上に位置することになります。防衛局は埋め立て申請で航空機の飛行ルートは陸地側ではなく、海上だと説明していますが、風向きなどによっては「経路から外れることがある」とも記していて、近くの住民たちは、様々な理由をつけて自分たちの生活圏が脅かされるのではと危機感を持っています。

松田区民「一番被害をこうむるのは金武、宜野座じゃないかと思っています。今でさえもオスプレイが飛んだり。」

松田区民「(宜野座村民は) 本当にすごいですよ。夜も遅くまでやっていますし、音が凄い、前よりもずっと。耳をつんざくような音がして。」

村が工事に気づいてから半年近くたった8月、沖縄防衛局が松田区を訪れ、スターリングの拡張について説明しました。しかしそれは歯切れの悪いものでした。防衛局は自分たちですらアメリカ軍から工事が始まることを知らされていなかったと述べ、辺野古との関係も知らないと繰り返しました。

沖縄防衛局 渡井業務課長「工事が始まる際に、当然地元の方々に説明しようと思っていたんですが、工事が実際に始ってから、うちの方も初めて、工事の開始について承知して現地確認したと。(Q.辺野古と関係しているのでは?)私どもとしては承知していないです。米軍側からは維持管理工事とある。」

松田区・當眞行政委員長「私たちとしては、現在でもヘリの騒音がとっても激しいです。これ以上ヘリパッドを造られたら、さらに訓練もあるのではと懸念があります。」

松田区はスターリングの拡張工事の中止や、普天間基地の県内移設断念などを盛り込んだ抗議文書を決議し、沖縄防衛局に提出しました。

松田区では辺野古反対の県民大会が開かれるたびにバスを出し、区民をあげて参加しています。

松田区・松田区長「松田区はもし辺野古に基地が出来れば、一段と被害をこうむる地域であります。ですので、絶対阻止するために、区民結集してその辺野古基地反対運動に、取り組んでいきたいと思います。」

辺野古への基地建設が強行される中、周辺地域で発覚した基地機能の強化。辺野古の問題は、自分たちの足元に迫る問題で他人事ではない、と区民らは声をあげています。