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9月11日、木曜日のニュースQプラスです。シーズンの夏はもちろんですが少し涼しくなるこの季節、秋にも多くの観光客の皆さんが沖縄を訪れますよね。観光旅行で楽しみなのが、現地で購入するお土産です。いま多くの沖縄土産が各地にあふれていますが、きょうから2回にわたって、沖縄の土産品の現状と課題を考えます。1回目のきょうは、食べられるおみやげ。お菓子について取材しました。

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沖縄の観光客数の推移は右肩上がりで、観光収入も上がっています。しかし、その一方で観光客一人当たりの土産品に使う金額は、意外なことに減少傾向にあるのです。(グラフ紹介)

沖縄を訪れた人の「旅行の満足度」を調査したところ、宿泊や食事、沖縄が持つ環境などのすべての項目で2009年度よりも2012年度の方が高い数字を示している中で、なぜか土産品だけ、満足度が下がっています。興味深い結果もあります。購入した土産品アンケートでは、全体の約9割が菓子類を購入していることがわかります。続いて最も印象に残った土産品を尋ねたところ、菓子類は30%を超えた程度でした。

観光客の方に買った沖縄土産とその感想を聞いてみました。

大学生女子「紅イモタルト、ちんすこう、沖縄そば。う〜ん、やっぱ定番かな。」

40代男性「紅イモタルト、タコライス、ちんすこう、ベタやね。」

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大学生男性「結構有名どころしか見てなかったのであんまりって感じですかね。」

決して不満足ではないようですが、定番のものが多く、選ぶ楽しさがないというような印象を受けました。こうした状況を打破しようと、県の文化観光スポーツ部では、シンクタンク、沖縄産業計画に依頼しました。そしてより魅力のある土産品作りとそのPR方法を生み出そうと県外で成功している企業への視察・ヒアリング調査が行われました。

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訪れたのは滋賀県近江八幡に本社を構える創業1872年の老舗和菓子店「たねや」ここでは、低迷する和菓子の市場において常に新しい商品を生み出し、遠方からも多くの客が訪れます。また、併設されている洋菓子ブランド「CLUBHARIE」はオープンキッチンで、バームクーヘンの焼き上げを初めて行ったことでも有名で、連日長い列が出来ています。

回りは田んぼと古い街並みがならび観光客が足を運ぶにも交通機関を乗り継いでいく場所にあるこの店の社長には地元への愛とこだわりがありました。

たねやグループCEO山本昌仁さん「やっぱり我々が育ったのは近江であってその近江のことは誰よりも知っているし、知っているというのは、歴史・伝統・文化に裏打ちされたお菓子の世界ということもよく知っていますし(他とは)微妙に違うんですよ。伝統って何かと聞かれたら続けること続けるためには何があっても次の代に向けてたねやを守らなければならない今のニーズに合わせないといけない。」

たねやの和菓子は定番のスタイルだけにとどまりません

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たねやグループCEO山本昌仁さん「オリーブオイルをかけた大福が非常にヒットしたのも昔はそんなことなかったと思うんですけど、オリーブオイルは美容とか健康にいい。私たちのテーマとして美容と健康を。」

視点を変えながら常に新しいものを作り続ける探究心が成功のカギなのかもしれません。揺らぎの無い老舗のこだわりに、どんな印象を受けたのでしょう。

沖縄産業計画奥住英二さん「最近ブランド構築ブランド構築とみなさんおっしゃいますけどそういう戦略戦術も大事ですが、いま立っている場で、きちんと足元を見ていくということが実は着実なブランドづくりにつながる素材が周りにいっぱいあるんだと、これからは沖縄の食材の持っている力をもっと研究してそれを発信していくことが大事かなと思います。」

沖縄産業機構ではこうした視察で学んだことを持ち帰り、今後は小売店に対してアドバイスや支援を行っていくということで、新たな沖縄土産の誕生に一翼を担おうとしています。