2013年11月14日 18時41分

悲鳴をあげる土地 ヘザーさんが見た基地汚染の現状

悲鳴をあげる土地 ヘザーさんが見た基地汚染の現状

ジョン・ミッチェルさん「あそこにアメリカンスクールがあるんですよ」

へザー・バウザーさん「えっ、あんな所に学校があるの?」

今月10日、沖縄市のサッカー場を訪ねたのは枯れ葉剤被害者の救済を訴えているアメリカ人のへザー・バウザーさん。四肢に重い障害を抱える彼女が、遠く沖縄までやって来たのには強い思いがありました。

へザー・バウザーさん「米軍の子どもたちが遊ぶ所もある。サッカー場で沖縄の子どもたちも遊んでいた。そんな場所で汚染が見つかったなんて、とても怒りがこみ上げます」

アメリカ軍基地の枯れ葉剤汚染に揺れる沖縄。へザーさんが沖縄の人たちに訴えたかったこととは。

悲鳴をあげる土地 ヘザーさんが見た基地汚染の現状

へザーさんにとって2度目となった沖縄の旅。今回は返還が予定されているアメリカ軍基地を見てまわりました。アメリカ本土でも基地の汚染は深刻になっているのです。

へザーさん「ここ数年で米国本土内での米軍基地の汚染が問題になっている。枯れ葉剤の問題も出てきたが、キャンプ・レジューンは水が汚染されていたということで、軍人だけでなく、その家族にも被害が及んでいることがわかった」

へザーさんは1972年ベトナム帰還兵の子として生まれました。両親にとっては2度の流産を経て、ようやく授かった子ども。しかし予定日より3カ月早く、未熟児で生まれたへザーさんは生まれつき右足の膝から下が無く、両手の指が欠損するなどの重い障害がありました。

これはへザーさんが描いた絵。義足の足を抱え、うずくまる自身の姿と背景にはベトナムの戦場が描かれています。なぜ自分だけがみんなと違うのか。作品からは彼女の苦悩が見てとれます。

へザーさん「両親は私を見てショックを受けた。なぜこんなことが起きたのか」

悲鳴をあげる土地 ヘザーさんが見た基地汚染の現状

彼女が今回、最も重要視していたイベントがあります。県議会での学習会。県議会議員や市町村議会など沖縄の政策決定に携わる人たちに、基地の汚染やダイオキシン被害の実態を知ってほしいと考えたのです。

そこで彼女は自身が代表を務める「ベトナム戦争退役軍人の子ども健康同盟」が全米の退役軍人2世、3世の会員を対象に行った健康調査の結果を発表し、2世の病気が796、3世の病気が159を確認されたことを説明しました。

へザーさん「基地従業員だった人や周辺に住んでいた人たちに健康調査をして、特徴的な病気が多くないか調べるべき。二型糖尿病、ガン、虚血性心疾患、パーキンソン病など。ベトナム退役軍人の3世、ベトナム人は4世まで健康被害が確認されている。例えば自閉症です」

シンポジウムには沖縄の環境団体も参加。沖縄市のダイオキシン汚染について説明したほか、フリージャーナリストのジョン・ミッチェルさんが沖縄にいた210人の退役軍人がアメリカ政府に対し枯れ葉剤を浴びたとして補償を求めていること、また、その人たちとは別に、沖縄での枯れ葉剤被害を訴える退役軍人40人以上にインタビューしたことなどを話しました

へザー・バウザーさん「枯れ葉剤は沖縄経由でベトナムに運ばれた。余ったものは沖縄で詰め替えられた。1950年代、ペンタゴンは沖縄を『太平洋のゴミだめ』だと呼んでいた。60年経っても何も変わっていないのです」

参加した人たちからも様々な情報や提案が寄せられました。

参加者「金武町のごみ捨て場が中川区にある。キャンプハンセンからの廃品を捨てていた。私たちは近くに住んでいるので心配」

実はへザーさんは沖縄市のサッカー場への立ち入りを求めていました。しかし沖縄市はまだ調査の途中で、彼女が現場を訪れることで「枯れ葉剤との関係性や風評被害が懸念される」として認めませんでした。

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へザーさんは沖縄の人たちに対し、厳しい現実でも受け止め、毅然とした対応をすべきだと訴えました。

へザーさん「この問題から目をそむけることは、米国政府の大量虐殺を許容することになるのです。沖縄の人たちのために正しいことをしてください。皆さんも立ちあがって戦ってください。そうすることで、無関係の戦争の犠牲になっている被害者を助けることができるのです」

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