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今週は「動物愛護週間」。ペットをかわいがる人が増える一方、捨てられてしまう犬や猫がいるのも現状です。さらに沖縄は、その捨てられ、手放されたペットたちを「殺処分」する頭数が全国的にも多いという状態がここ数年続いています。沖縄の現状を考えます。

可愛い表情の犬や猫。飼いきれなくなり、山や野原に捨てられる状況は、これまでにもよく耳にしますが、最近では、あらたにこんな場所にも捨てられているといいます。

ペットショップ「約2.3か月前くらいですかね。あの店舗の前に、段ボールに子犬が3匹ほどはいっていて、そのまま置かれている状態でありました。一番メインで多いのが小型犬なんですけれども、ちょこちょこ大型中型犬もありますね。」

ペットショップやペットホテルの前に置いていく人がいるというのです。

動物愛護管理センター吉田さん「まずどこかに捨てに行くっていうのは、遺棄であり犯罪です。要はどこかこの人たちが助けてくれるだろうっていうことで自分は労力をはられたくないけどっていうのがあると思うんです。もっと人の迷惑というものを考えてもらいたいと思います。」

捨てられたり置き去りにされた犬や猫の行先は動物愛護管理センター。また、事情があってどうしても飼うことが出来なくなった犬や猫もやってくるセンター。動物愛護管理センターの吉田さんは、収容される犬や猫をすこしでも減らそうと取り組んでいます。

動物愛護管理センター吉田さん「こちらも処分するだけじゃなくて、飼い主を探す、飼い主のもとに返すっていうことを目的としていますのでインターネットで写真を提示して飼い主の目に触れる機会も多くしています。犬ならつないで飼うこと、猫でも室内飼育っていうのが環境省から提唱されいますので部屋の中家の中で飼うようにしてください。そうすれば迷子になったりけがをしてこちらに収容される犬や猫は減ると思います。」

これは2011年、県内で殺処分された犬と猫の数です。その数は約6000匹。全国的にみても、その前の年の、2010年の殺処分数は全国で2番目に多く、翌年の2011年も4番目と、やや減っていますが、全国で高い数字を記録しつづけています。

富永さん「全国でワースト4位という風なことで、まだまだ悪い状況にありますので色々と取組を進めていく必要があると考えます。沖縄の言葉では「ぬちどぅ宝」という非常にいい言葉がありますよね。その精神っていうのが動物愛護についても実践できるような社会こういったものを作っていくことが大事なことだと思います。」

捨てられる犬猫の多い沖縄の現状を少しでも変えようと、県内では動物愛護団体、8団体が、動物を守ろうと活動を続けています。その中のひとつ、NPO団体の「ケルビム」。「ケルビム」は1997年に発足以来10年以上「殺処分ゼロ」を目指して取り組んでいます。この団体の代表中村りささんは、県外から移住し、沖縄のこの現状に驚いたといいます。

愛護団体「ケルビム」代表・中村りささん「やはり沖縄に引っ越してきて野良犬野良猫がすごく多くて処分される子も多いというのが身に染みてですね。初めて犬の捕獲というのを見てしまったんですよ。本当にすごく可哀想で捕獲者のあとを追っかけていって助けようとしたんですけど、その時は譲渡ができないということで、泣く思いで帰ったんですけど。」

毎週日曜日に北谷町サンセットビーチ近くでおこなわれているこの譲渡会。捨てられた犬や猫などの新しい飼い主を探しています。(新たに産まれた子犬・子猫の譲渡や、捨て犬捨て猫の譲渡)

中村さん「なずなちゃん人気です。なずなちゃん。ころちゃんも人気やんね。なでなでしてね噛まないよ。」

中村さんは親しみをもってもらおうと1匹1匹に名前をつけて、生涯可愛がってほしいという思いから、新しい飼い主が決まっても入念に確認します。

中村さん「今回わんちゃんもらうことは皆さん納得のうえで。おじいちゃんおばあちゃんも?健康管理とかしつけとかをお子さんだけではちょっと難しいので親御さんもついて教えてあげてくださいね。」

毎週この譲渡会を開き、活動を続けていますが、譲渡数にも限界があるといいます。1か月のうちに新しい飼い主のもとにいくのは、約50匹ほどだそうです。

中村さん「処分される頭数とかからすると本当に一握りなので幸せを掴める子は一握りですのでね、処分される子のほうが多いという現実を皆さん心にしみてわかってほしいと思いますね。」

この日、1匹目の譲渡が決まる。

中村さん「嬉しいですね。1匹でも多く決まってほしいですね。不要な命って世の中ないと思うんですよ。動物は物じゃなくて命なんですから命を預かるという気持ちで飼っていただきたいと思います。」