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安部総理「普天間の問題も住宅地の真ん中にあるあの基地を一日も早くしっかり移設する。固定化はあってはならない。基地の負担が減っていくと皆さまに実感していただくように我々は努力する。」

選挙戦も終盤に入ったおととい、那覇市でおよそ2000人を前に、『基地負担の軽減』を強調した安倍総理。

普天間基地の移設問題を巡っては「辺野古」を公約に掲げる党本部と県外を主張する県連とでねじれたままですが、この日は知事もそして選挙公約を破棄し辺野古移設に方針転換した国会議員もそろって自民党の新人・安里さんへの支援を呼びかけました。

辺野古への基地建設が正念場を迎える中で行われる今回の参院選。しかし基地問題は争点になっていません。

安里候補「私は県内移設よりも県外移設を求める方が早いと思っておりますので、県外移設を求めていきたいと考えています。」

糸数候補「普天間基地は即時閉鎖、返還です。沖縄の海にも陸にも新たな基地を造らせないのがスタンス。」

事実上の一騎打ちとなっている2人がそろって普天間基地の「県外移設」を主張しているのです。

新崎名誉教授「わざわざ争点が見えにくくされているのがあるよね。沖縄から言えば、安倍政権が自分たちが勝ったらやりたいということも、普天間の辺野古移設だよね。ところがそれが争点にならないのは、自民党県連も、公明党県本部も県外移設を言っているわけで、自民党はそれを認めないと言っているわけだよね。本部との間でそれをズレを持ったままぼやかしたから、争点になりようがない。自民党も県外です。野党も県外ですと、みんなで県外ですと言ったら争点にならない。」

政府が3月、沖縄県に提出した名護市辺野古への基地建設に向けた埋立申請。辺野古沿岸部に10トントラックにするとおよそ343万6700台分の土砂を投入し、157ヘクタールを埋め立てることが記されています。

福島党首「沖縄自民党も含めて辺野古に基地反対、福島の自民党脱原発、北海道自民党TPP反対、本部と正反対、どっちが本当か、二枚舌じゃないか。総理の答弁。地元は希望を述べているんです。本部の公約が公約です。」

自民党の足並みの乱れを批判する革新側。しかしそう訴えても基地問題は今一つ盛り上がりません。

そこには基地問題を巡る長い戦いに疲れた有権者、そして何度国に訴えても声が届かない県民の諦めが感じられると言います。

波平教授「日本政府の民主主義に対する幻滅は県民の間に随分広がっている気がします。オール沖縄で訴えても反応がない状況。それが政治に反映されていないのではという、有権者の懐疑の気持ちがかなり鬱積している気がします。」

このほかの2人は基地問題について次のように訴えています。

金城候補「もし辺野古の移設がとん挫したらどうなるでしょうか普天間の固定化です。」

新島候補「県外であっても、米国に持って行っても、地球は丸くてその星から出ていけないでしょ。ならば地球のどこにもそういうものがあってはならない。」

選挙戦が佳境に入る中、辺野古への基地建設に向けた埋立申請の手続きはきょうで縦覧を終えました。次はいよいよ年末から年明けとも言われる知事の判断に注目が集まりますが、知事に対して県民の意思を示すことにもなる節目の選挙は基地問題についての議論が盛り上がらないまま投票日を迎えようとしています。