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男子学生「アベノミクスで(景気)良いって言われてるんですけど、実感がわかないですね。求人数もそうなんですけど、時給も今アルバイトしてるんですけど、上がってないですし。」

女子学生「若者に対しては、離職率も高くなっているということですので、正規雇用などといった政策もどんどん推し進めてほしいと思います。」

今月12日、総務省が発表した就業構造基本調査の結果に注目が集まりました。全国の非正規労働者の数が2040万人あまりとなり、初めて2000万人を突破したのです。

中でも、沖縄県の「非正規職員・従業員の割合」は44.5%で、全国最下位となっています。(全国平均:38.2%)

さらに、29歳以下の若者の半数以上がこうした非正規で働き、非正規労働者の85%以上が年収が200万円に満たない状況も明らかになりました。

こうした状況について、4人の候補者は。安里政晃さんは、アベノミクスによる景気回復を進めることで、若者の雇用に対する不安を解消していきたいと話します。

安里候補「沖縄振興を加速拡充で若者の雇用を増やしていきたいと思っております。」

糸数けい子さんは、アメリカ軍基地を返還させ、跡地を有効利用することが若者の雇用につながると訴えます。

糸数候補「基地を返還して新たに雇用の場に変えていく。そのことが若者の雇用対策にもっとも必要だと思っています。」

金城竜郎さんは、沖縄に資源エネルギーや航空宇宙分野の産業を立ち上げることで、雇用を増やしていきたいと主張します。

新島メリーさんは、最低賃金を上げるほか、熟練の労働者に若者の見習いをつけることで雇用を創出するとしています。

比嘉勝子さん「色々レシピを展開できるんだよというのがコンセプトじゃないですか。その考え方がポスターにも反映されればいいかなと思って。」

取引先の担当者とポスターデザインの打ち合わせをするのは、比嘉勝子さん。県内大手の食品メーカーで、商品のパッケージや販促物のデザインの仕事をしています。

現在33歳の比嘉さんは、新卒で今の会社の正社員に。大学でデザインを専攻していた比嘉さんにとっては、学んだ事を生かせる希望通りの仕事。

事務所顔から奨学金ポスターへしかし、比嘉さんは当時、大きな問題を抱えていました。

比嘉さん「380万です。高校が月5万の3年間の80万と大学が月10万円の利子つきの奨学金を借りていました。」

家庭の経済的な事情で、奨学金を利用しながら学校に通った比嘉さん。社会人になった時には、すでに400万円近い借金があったのです。

初任給はおよそ16万5000円。手取りでは14万円ほどでした。しかし比嘉さんは、毎月2万円以上の奨学金の返済に加え、病気で働けなくなった母親に代わり、一家4人を支えていかなければならないという事情を背負っていました。

比嘉さん「いつも毎月赤字の状態。14万(の手取り)だけでは、そういう生活が正社員であっても厳しい状況だったんです。」

夜間高校に通いながら、昼間バイトをする弟の助けがあってやっとというギリギリの状況。

こうした生活を4年ほど続けた後、比嘉さんは、一定の条件のもとに、奨学金の返済を猶予してもらえる制度を知り、厳しい時期を脱することができたといいます。

今も少しずつ奨学金を返しながら、5年前、「沖縄なかまユニオン」という労働組合を立ち上げた比嘉さん。

比嘉さんのもとには今、かつての自分と同じく奨学金の返済問題に悩まされているという声のほか、一見普通に働いているように見えても「給料が少なすぎて生活できない」「長時間のサービス残業がきつい」といった相談が寄せられています。

比嘉さん「正社員になれても、今ブラック企業と言われてる問題もあったりして、どうやったら辞められるかという相談が来たりもする。労働環境かなり悪くなってきているというのは、奨学金の相談からも見えてきます。」

比嘉さんの経験から見えてくる失業率などの指標だけでは測れない若者の労働環境。比嘉さんは、候補者たちにこうした事態を見逃さないでほしいと話します。

比嘉さん「困ってる人のところに行って、その現場を見て、問題になってることを(国会に)届けていく。そういう方にぜひ議員になってほしいと思いますね。」

若者の雇用問題というと、つい失業率などに注目しがちです。失業率を下げることはもちろん重要ですが、比嘉さんの話からは、働きながらも厳しい状況にある若者の姿が見えてきます。

今週の日曜日には、まもなく参院選の結果が投開票が行われますが、議員になる方には、こうした隠れた労働問題を抱えている若者も多いということをしっかり認識して、政策に取り組んでほしいと思います。