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畜産農家や漁業者が関心を寄せているTPPや日台漁業協定について現状や懸念など切実な思いを取材しました。

漁師・高橋拓也さん「実際何が起こっているか知ってもらって動いていくれる人がいればいいなと思います。」

石垣市に住む漁師・高橋拓也さん41歳。八重山漁協に所属しマグロはえ縄漁をはじめて20年になります。今年5月に尖閣諸島周辺の漁業権をめぐって日本と台湾が漁業協定を結んで以降、漁獲高が大幅に減りました。

漁師・高橋拓也さん「本マグロ14・15本今年は7本で終わったんで半分。」

3月から7月が本マグロのシーズン。今年は、石垣島の北の海域での操業ができずにいます。ルール作りがなされないまま日台漁業協定が結ばれたため、網などの漁具が絡まるトラブルでの損失を避けるためです。

漁師・高橋拓也さん「同じ海域でやると縄が交差しますよね。交差するとこっちの縄が細かいので漁具が細かいので日本の船の方が台湾の道具に負けちゃうんですよ。」

使用している網は、1度漁に出ると補修費だけでも500万円かかっていて、それに燃料代を考えると漁を自粛せざる負えない状況だと言います。候補者には、損失補償ではなく漁場を返す交渉をして欲しいと思っています。

漁師・高橋拓也さん「僕らは保証なんていらないから自分で稼ぐから働ける場所を戻してくださいよ。そのことだけです。」

今回の選挙で、事実上の一騎打ちとなることが予想される新人の安里さんと現職の糸数さんは、ともに日台漁業協定に反対の立場です。

安里政晃さん「日台・日中の漁業協定に関しましては反対でございます。具体的に申し上げることはできないですけど今すでにこの改正に向けて取り組んでいる先輩がたと一緒になってやっていくと形で必ずこれを実現していきたいと思っています。」

糸数慶子さん「わたくしは、日台漁業協定反対です。漁民の皆さんは、自分たちの暮らしがほんとに大きな犠牲を強いられる今の状況に大きな不満を持っています。これは、見直していくべきだと思います。この要請書の中には、きちんと水域設定の見直しそして、台湾漁船との操業の制限それから取締の強化なども訴えております。」

新島メリーさんは、条件付きで賛成、金城達朗さんは、台湾と連携していく上で重要な施策であると主張しています。また、沖縄の農業に大きな影響を与えると言われるTPP問題も今回の選挙の焦点です。

玉代勢元さん「日本の末端でもあるし、、沖縄の離島のさらに離島で牛を飼っていてやっぱりほんとに売れるのか?外国からの安くてそういうものにまた、小さな島でたちうちができるのかなってみんな心配しています。」

およそ220人の黒島。3000頭の牛を54戸の農家が育てています。黒島で畜産業を営む玉代勢元さん37歳は、黒島最大の産業である畜産が打撃を受けると島に人が住めなくなるのでは?と懸念しています。

玉代勢元さん「畜産一本できている島ですので、すべて左右されるんですよね。希望、畜産したいって若い者が帰ってきているんだけど、やっぱり若い者が生活がなくなれば学校も自然と保育所学校すべてさらに小さくなるっていうのはみんな心配している。」

県は、TPPに参加した場合に想定される県内の農林水産物への影響額を、1422億円と試算しています。そのうち牛肉は、75%で106億円の生産量が減少すると考えられます。

糸数慶子さん「地域の経済を崩壊させることになりますので反対です。沖縄のあぐーなどの豚などもブランド化して好調であります。石垣牛海ブドウそういうものを取り上げていきますとむしろTPPには反対し沖縄のそのブランドをもっともっと全面に出していくことこそがいま急務だという風に思っています。」

安里政晃さん「重要品目にサトウキビ豚肉牛肉が入らなければTPPは、脱退するべきだと思っております。重要品目を守れなければ離島にも住めない状況が必ず陥ると思いますので離島の生活、沖縄の農産業に従事する方々の生活を守るためには、このTPPで重要品目は必ず死守するということをお誓いしたいと思います。」

金城達郎さんは、TPP参加は、安全保障上も避けては通れない新島メリーさんは、サトウキビを牧草として活路を考え条件付きで賛成としています。ただ、有権者にとってはTPP交渉の全体像がみえず、その影響力が不透明なため交渉参加の是非を判断する材料が少ないのも事実です。

玉代勢元さん「みんな入ったらどうなるとか、入らなかったらどうなるとかもうちょっと明確に有権者に訴えてほしいですね。」

漁業者・畜産者ともに後継者として子どもに継いでほしいと思う一方で果たして生活は成り立っていくのか、心配をしていました。