2013年5月31日 18時40分

Q+リポート 深い心の傷・子どもの性的虐待の実態

きょうの特集は子どもへの虐待です。虐待はネグレクトといわれる育児放棄や言葉の暴力、叩く蹴るなどの暴力行為の裏に、性的な虐待というのも多く潜んでいます。表面化しない子どもへの性的虐待の実態についてお伝えします。

琉球病院・婦長さん「こちらがプレイルームです。これトランプリンで遊びながら、心理士さんとお母さんお父さんと診察をしている状況です。子どもの状況を見ながら診察しています」

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県内で最も古い精神科病院・金武町にある琉球病院です。3年前「こども診療科」を設け、診察室を改装しました。

こども診療科には落ち着きがない・眠れない・自傷行為を繰り返す、ひと月に200人もの子ども達が様々な心の問題を抱えやってきます。

琉球病院こども診療科・野村れいか心理療法士「最初は気分が沈んでいる、リストカットとか自傷行為が止まらないと保護者同伴で来て、その中で何回か診察をしていくと、実は性被害にあってたとか、保護者から虐待的なことがあったり経過の中でわかってくる」

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これは県内の児童虐待の報告件数です。その数はここ数年、年間400件を超えています。この中で性的虐待が占める割合はわずかに3%。しかし、これはあくまでも氷山の一角だと言われています。

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野村心理療法士「小さい時には行為の意味がわからなくて戸惑ってたものが、それがどういうことかわかって、すごく傷ついて。それを表現できなくて自分を傷つけてしまったり。そこ(統計)には上がっていない子たちもいるし、大人にも誰にも言ってない子もいるのでは」

暴力を受けている、食事を与えられていないなどの虐待と違い、見た目ではわからないだけに発見されにくく、その結果、何度も繰り返されているケースも少なくないといいます。

意見陳述『暴力はふるわれました。泣いてもやめてくれませんでした。泣いたらなぐられました。とても怖くてなにもできませんでした』

田中真生さん「何ヵ月も娘と家族と相談してここまでたどり着きました」

田中真生さん。3年前、当時小学5年生だった娘が義理の父親から性的虐待を受けていました。それが発覚したのは娘の妊娠でした。幸せだった家庭は崩壊し、娘と共に何度も死を考えたという田中さん。しかし、他の子どもたちのことを考え思いとどまりました。

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そんな、田中さんが実名と顔を出してこの事実を公表した理由。

田中さん「実名と顔写真を出さないと何の説得力もない。また別の世界で被害が起こってるんだなと流されてしまう。沖縄には関係ない、自分には関係ないと思われないために実名を公表しました」

交通事故にあったら、強盗にあったら、自分は被害にあったと言えるのにレイプだけはなぜいえないのか?その疑問を真っすぐに訴えたい。そして、もう一つ。田中さんを心の闇から救ったある施設の存在があります。

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性暴力を受けた被害者が治療やカウンセリング、希望すれば警察への通報や弁護士への相談に至るまで、すべて一カ所で受けることができる「ワンストップ支援センター」。中でも先進的な活動をしている大阪のSACHICO。田中さんはワラにももすがる思いでSACHICOの支援員育成講座に通いました。

田中さん「なんて素晴らしいセンターが日本にあるんだろうと。勉強していくうちに、どんどん当事者の視点に立ったセンターが素晴らしい、沖縄にも作りたいあったらいいなと」

そして、娘さんと話し合い、これ以上の被害者を出さないために、被害者を救えるワンストップ支援センターの設立を訴えていこうと、去年12月、名前を公表し活動をすることを決めました。

『レイプは心の殺人』田中さんはいいます。娘さんが受けた事実は一生消えることはありません。これから田中さん自身も母親として、娘さんの支援者として、心の傷をどうケアしていくのか闘いは続きます。

意見陳述『母は私のために戦っています。新聞にもでました。母はすごいと思います。母が「あなたは悪くない」と何度も言ってくれたから、私は生きようと思いました』

弱い立場の子どもへの性的虐待。絶対に許されません。一方で性暴力というのは公になることで被害者が責められ、二次被害を受ける可能性があることから社会問題化しにくい現状があります。

QABでは今回、問題の本質を伝えるため、本人の意思を尊重し、実名で報道しました。大切なのはこの事実から目を反らさないこと、また被害者には何の非もないという認識を持つことそして、社会が子どものSOSに気付き救う必要があります。

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