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沖縄県憲法普及協議会が25年前に出版した「わたしの憲法手帳」その表紙をめくると「日本国憲法」が誕生から25年にしてやっと適用された沖縄からの視点で。とあります。この本は25年間、常に沖縄で起きてきた問題を憲法に照らし合わせ、常に追記され再版され続けています。

「わたしの憲法手帳」を教材に、県内の大学で行なわれている「憲法」の講義。

大学講師 比嘉盛久さん「戦争はできるとするのかできないとするのか考えて、だからこんなものがあったらアメリカとの日米安全保障条約とか自衛隊の平和活動ができないので全部なくなります、改正によって2項の所に「国防軍」を置くんです」

学部を超えて、およそ200人の生徒に、週2回講義をする大学講師比嘉盛久さん。25年間この本と共に講義を続けています。

比嘉先生「今の学生は哲学とか憲法とか直接就職とか日常と関係のないものは外れがち、沖縄問題くらいは沖縄県民であればわかってもらいたいと」

「憲法」を生活の一部として、何より沖縄が抱える問題の背景にあるものとして考えてもらいたい。その思いから授業では、常に県内で起きている問題を取り上げ、学生に問い掛けます。

女子学生「今までは教科書を基本にやっていたけど先生の意見とかを交えて聞くことによって自分自身で考えますねやっぱり」

男子学生「(憲法の)考え方は変わった。今までの歴史の中で沖縄がどうあったとかそういったことは考えるようになりました。」

さらに「沖縄の問題と憲法」についてより深く学ぶ学生もいます。

お母さん役学生「国は高江の住民15名を訴えました座り込みをしていることが通行妨害だと裁判所に仮処分を申し立てたのです」

お父さん役学生「力の強い側が金と権力を使って弱い側のせめてもの意思表示をつぶそうとしている」

東村高江のヘリパット建設の阻止行動を朗読劇にした「私(わん)の村から戦争が始まる」。去年11月の県内を始め東京や大阪で上演され話題となりました。

これを学生に演じてほしいと呼び掛けたのは県憲法普及協議会会長であり琉球大学法科大学院の高良鉄美教授。そして、脚本を再構成したのは高江の弁護団の一人、赤嶺朝子さんです。

赤嶺弁護士「学生もこれを通じてこれまで空気のように何も感じなかった憲法を考えるきっかけになればと思って」

集まったのは、県内の大学生12人。台本を見るまで何が高江で起きているのか知らなかった学生ばかりです。

「安次嶺現達ほか15名はいい加減な証拠で訴えられました。その中には私の小学生の子どもも含まれていました。子どもはとても傷ついておびえています。私は親として防衛局がやったことを一生忘れることができない許すことができない」

通行妨害で訴えられ仮処分を受けた一人。安次嶺現達さんを演じる井上隆哉(たかや)さん。最初は台本がフィクションだと思っていました。

井上隆哉さん「住民は自分たちの生活を守りたいっていう本来あるべき訴えをするのは妥当なはずなのにそれを守るべきはずの国が敵のように訴えるシーンは何もできないというショックでした」

国が住民を訴えるという異例の裁判が起きていること、その中には子どもがいたこと。その衝撃が憲法とは何かと考えるきっかけとなりました。

自民党が掲げる憲法改正草案です。その中には。第二十一条 表現の自由 2項 公益および公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは認められない。 新たに設けられようとしているこの条文。

赤嶺弁護士「憲法が改正されたらこういう裁判ではなくそもそもこういう反対運動の声が上がらない世の中になっていくのではないか危惧しています。

私たちが抗議する声。それも憲法により自由に発せられなくなる。としたら・・・

学生たちは朗読劇を通して、憲法は自分たちの生活にどれだけかかわっていて、改正によってどう変わっていくのかその真意と向き合っていました。

井上隆哉さん「何も言わないのは危険何がおきようとしているのか考えると自分たちの暮らしや未来が危険になるのはわかってくる」

山内未来さん「今自分ができることをやろうおかしいと思ったらおかしいと言おう作られたくないから座ろう」