2013年5月1日 18時50分

Qリポート 憲法より上?日米地位協定

きのうから始まりました憲法特集、きょうは「憲法と地位協定」について。

66年前、敗戦直後の日本に誕生した日本国憲法は、国民の人権を補償し、戦力を持たないことを定めています。そして第98条は、憲法が国の最高法規であると規定するとともに「日本国が締結した条約や国際法は、これを遵守すること」を定めています。

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しかし、この日本国憲法をはるかに越えていると指摘されているのが、アメリカ軍基地に関するルールを定めた「日米地位協定」です。その実態は、私たちの想像を超えるものでした。

女子学生「野嵩ゲート前を通ると反対運動をしているんですが、オスプレイは撤退するどころか、むしろ増えていますよね。」

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女子学生「米兵に友達とかいるんですけど、この人たちは、沖縄のこと守っていると言っているんですけど、でも自分たちは全然守っているって感じしないし、こんな沖国に落ちたりなんでこんな、矛盾っていうか。」

先月28日の「主権回復の日」と「屈辱の日」を間近に控え、大学生たちが語ったのは、普段何気なく感じてきたアメリカ軍基地に対する疑問でした。

前泊教授「みなさんにとって沖縄の心とは何か。イメージしながら4.28について考えてほしい。」

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授業を担当する前泊博盛教授。平和憲法で軍隊を持たないと決めた日本に、なぜアメリカ軍が置かれているのか。その答えを知るカギは、講和条約にあるといいます。

前泊教授「本来は、講和条約上は、占領軍は発効から90日以内に全部撤退しなければいけない。ところが撤退していないですね。いまに至っても。」

占領軍の90日以内の撤退を約束していた講和条約。しかしそこには「日本が外国との間で条約を結んだ場合には、軍隊の駐留継続ができる」という抜け道も記されていました。

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前泊教授「講和を結んであげる、その代わり、占領政策を延長させるこの軍隊の駐留を認めるという安保条約の締結を求められたわけですね。その安保条約に基づいて米軍が駐留する権利を定めたのが地位協定ということになります。」

安保条約と地位協定、このセットになったこの取り決めの直後から、アメリカ軍は銃剣とブルトーザーで土地の強制接収を開始。県内各地で住民が土地を失った上に、軍の演習の被害にあうなど、軍隊と生活が混在する異常な事態に巻き込まれていきました。

地位協定は私たちの生活に密着してきました。アメリカ軍関係者が事件事故を起こしても、公務中であれば日本の裁判権は行使されません。基地には日本の法律も安全基準も適用されません。これらは地位協定が認めてきたことのほんの一部です。

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前泊教授「米軍優先で作られていて、軍人の方が国民よりも権利が強いということですね。これでは日本国民が権利を侵害されているケースが出ざるをえない状況。」

そんな中で去年起きたオスプレイの強行配備。それは、憲法が定めた国民主権を揺るがす象徴的な出来事だったと、元外務省官僚の孫崎亨さんはいいます。

孫崎さん「この憲法の中で日本の秩序が出来ている。それを大事にしていこうという政治意識はほとんどなくて、日本の法体系がどうなっていようと、米国が臨むことを実施することの方が、はるかに、政治的に重要であると、こう判断していると思います。」

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さらに、孫崎さんは地位協定の本当の問題をこう指摘します。

孫崎さん「日米地位協定はすばらしい協定ではなくて、問題点たくさん持っています。ところが問題はね、それよりも現行のほうがもっとひどくなっているんですよね。」

地位協定には書かれていないことが現実には起きる。9年前、沖縄国際大学へのアメリカ軍ヘリ墜落事故では事故直後、アメリカ軍は大学を封鎖。大学関係者をはじめ県民は誰も、沖縄県警ですら、立ち入りを認められませんでした。

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アメリカ軍は、ヘリの残骸を「軍の財産」だとして、これを管理する権利を盾に現場を封鎖しましたが、そんな権利は、地位協定の本文には、どこにも書かれていないと、前泊教授はいいます。なぜ、それが可能なのでしょうか。

前泊教授「地位協定の運用にあたる日米合同委員会。密約製造装置と呼ばれているんですね。実際の(地位協定の)運用はその密約によって運用されているので、国民、主権者である国民には全く知られないまま、ブラックボックスで運用されている。」

日米同委員会は、日本側の代表である外務省と、アメリカ側の代表である在日アメリカ軍司令部をトップに、地位協定の運用に関わる問題などについて話し合われています。

その実態の一部が、アメリカの公文書館から見つかりました。いまから61年前の、日米合同委員会。その記録は17ページに渡り、アメリカ軍に関わる事件事故の民事裁判の取り決めがされていました。なかにはこのような合意も…。

「日本の民事裁判所が証拠となる情報をアメリカ軍に求めても、合衆国の利益を害する場合、報を提供できない」

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外務省の日米地位協定に関するホームページを見てみると、そこで公開されていた議事録は、わずか2ページ。重要な合意のほとんどがすっぽりと抜け落ちているのです。しかし、前泊教授は、これは氷山の一角だといいます。

前泊教授「毎月2回、密約が増産されていると思えばいいですね。(合同委員会は)もう5000回くらい開かれていますから、いくつも密約がその裏に作られているか分からない。」

前泊教授「憲法より上にある安保条約、さらに上にある地位協定、さらに上にある密約。こういう形で日本が統治をされているとしたら、果たして主権はどこにあるのかというのは見えなくなってしまいますね。」

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