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衆議院議員選挙はいよいよあさって投開票されます。シリーズ「衆議院選2012、あすを選ぶ」。きょうは沖縄全選挙区の終盤の情勢を記者解説でお伝えします。担当の金城記者です。金城さん、全国的には民主に厳しい風が、自民に追い風が吹いているという感じですが、沖縄ではどうでしょうか。

民主は前職2人が離党して、新人が立っていますが、QABの取材では、民主は政権交替した3年半前とは、逆風にあおられて厳しい戦いを強いられている状況です。

では選挙区ごとの情勢です。4区はご覧の5人の方々が立候補しています。

4区は民主を離党した前職の瑞慶覧さんが無所属で立候補してます。これに3年前落選した自民党の西銘さんが挑む構図です。

ここまでの選挙戦を通してみると、西銘さんは保守地盤といわれる南部で強みを発揮し、自民支持層と公明支持層から支持を得ています。また無党派層にも支持を広げる戦いを展開しています。西銘さんは、前回落選した直後から地道な活動を続け、着実に支持を広げています。それと、5人のうち、政党の支持基盤が強固なことと、自公の追い風に乗った戦いを進めています。

一方、無所属となった瑞慶覧さんは政党基盤がないのは不安材料でしたが、。しかし、あえて無所属で通すことで革新支持層や無党派層への浸透を広げる戦略に切り替え、選挙戦を戦っています。推薦する社大が核となり、社民支持層の取り込みにも全力を上げています。前回支持を受けた民主の切り崩しと、無党派層の取りこみに終盤は全力を上げています。

このほか維新新人の魚森さん、共産新人の真栄里さん、民主新人の大城さんは厳しい戦いです。

次は2区です。2国はご覧の4人の方々が立候補しています。

2区は、社民前職の照屋さんに、自民新人の宮崎さんが挑む形です。

照屋さんは、社民はもとより、推薦する社大の動きが活発で、共産が候補者を立てなかったため、共産支持層と未来支持層への訴えで支持を広げる戦いです。また中頭地区は革新地盤とあって、読谷、西原、北中、中城の革新票を取り込んでおり、有権者の多い浦添、宜野湾でも手堅い戦いを進めています。

照屋さんに挑む宮崎さんは、知名度不足を青年会議所や観光産業が精力的に動き、自民支持層の大半をほぼまとめていますが、公明票はまだ完全にまとめきれておらず、公明への支持訴えと、中盤から広がりが出てきた無党派層への取り込みに全力を上げています。

このほか維新新人の金城さん、無所属の永井さんは厳しい戦いとなっています。

続いて3区です。3区はご覧の6人が立候補しています。

3区は民主を離党し、未来から立候補した玉城さんと、自民新人の比嘉さんの争いとなっています。

玉城さんは、民主を離党して未来という、実質的に政党の基盤がないなか、当初は苦戦が予想されました。しかし、これまでの支持者が未来の基盤を形作り、社民支持層と社大支持層に加え、知名度を生かした無党派層の取り込みに全力を上げています。さらに、古巣の民主にも食い込む戦いを展開しています。

一方、比嘉さんは自民の組織をフル稼働し、自民が公明とともに支持拡大を図っています。名護での広がりもよく、うるま市の集票に力を入れています。しかし、自民は前回の分裂選挙のしこりがまだ残っていて、知事らがテコ入れに入っています。終盤に向けては自民支持層を完全に固めることと、無党派層への支持拡大を図る戦いとなっています。

このほか維新新人の大城さん、民主新人の崎浜さん、共産新人の宮里さん、幸福実現の金城さんは厳しい戦いです。

最後は那覇を中心とする1区です。1区にはご覧の4人が立候補しています。

1区は郵政防災大臣の下地さんに、今回も自民新人の国場さんが挑む構図です。

国場さんは、自公と経済界が活発な運動を展開し、自民支持層と公明支持層から支持を得ています。無党派層へも広がりを見せています。那覇市長が選対本部長で陣頭指揮をとり、知事も後援会企業を動員して票の掘り起こしを図っています。さらに3年前と違って自民への追い風も好材料で、終盤まで勢いを維持したい考えです。

一方、国民新の下地さんは、連立政権への風当たりが強い中、支持基盤の政党そうぞうと、支持者がフル稼働。下地さんを支持する企業も活発に動き、宮古郷友会有志も票の掘り起こしに全力を上げています。終盤は無党派層の取り込みに全力を上げています。

そのほか、共産前職の赤嶺さんは共産支持層と社大支持層を固めていますが、維新新人の安田さん同様、広がりはみられません。

今回は政党乱立で4選挙区にあわせて19人が立候補して激しい選挙戦を展開していますね。

これまでの取材では、3割から4割の人が態度を明らかにしていませんので、きょうからの残り終盤戦では各陣営ともさらに熱の入った運動を展開していきますので、情勢が大きく変化する可能性もあります。

沖縄の声を国会に届ける議員を選ぶ大事な選挙です。それぞれの選挙区の有権者は、候補者の公約をみて大事な1票を投じてほしいと思います。

衆議院選の投開票は今度の日曜日、16日です。