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シリーズでお伝えしている衆院選2012「あすを選ぶ」。きょうは多くの離島があり、南西諸島の防衛問題などが注目される沖縄4区についてお伝えします。

本島南部の市町村のほか、石垣島や与那国島など多くの離島がある沖縄4区。ことし全国的な注目を集めた尖閣諸島の領有権や与那国島への自衛隊配備などの問題を抱えています。

瑞慶覧長敏さん(当時)「国民に夢と希望を与えるようなそういう社会をつくっていきたいと思っております」

西銘恒三郎さん(当時)「私自身の力の足りなさだったと深くお詫びを申し上げます」

2009年に激しい戦いを演じた前職の瑞慶覧長敏さんと元職の西銘恒三郎さん。3年の時を経て、因縁の対決が注目されています。

瑞慶覧長敏さん「沖縄の主権を取り戻す、闘う。この呼びかけを最初から最後まで貫く決意でございます。」

3年前に民主党から出馬した瑞慶覧さん。父親は社大党の重鎮です。もともと強固な保守地盤の4区ですが、社大党・社民党などの革新票をまとめたことに加え、民主党への追い風を背景に、初当選を果たしました。

しかし、普天間問題をきっかけに、民主党を取り巻く状況は一変。党本部とのねじれに苦しんだ瑞慶覧さんも民主党を離党することに。新党への合流を模索しましたが、結局、無所属での出馬となり、前回ほどの勢いは見られません。

瑞慶覧長敏さん「後悔するとかそういうのではありません。無所属になっても自分の主張をしっかり訴えれば、あるいはやってきたことをしっかり訴えさえすれば、必ずわかってくれる」

一方の西銘さん。元県知事の父や元参議院議員の兄がいる保守のサラブレッドです。2期6年間、4区の議席を守りましたが、3年前の与党への最大級の逆風を受け、瑞慶覧さんに敗れました。

議席を失った西銘さんは、落選の翌日から地道な選挙戦を展開。これまでに500カ所以上での街頭活動を行ったり、離島の農家を回るなど、地元の声と向き合ってきたと話します。

西銘恒三郎さん「何が何でも勝ち抜いていくということ以外ないですね。政治生命かけてますから」

保守の議席を取り戻す。出陣式には、地元の保守系の首長らが駆けつけました。公明党とも連携し、万全の態勢で挑みます。

西銘恒三郎さん「日本を立て直す選挙であります。恒三郎にいつでも電話をして、地域の問題を一緒になって解決していくんだと。こういう思いでどうぞ国会議員というのを見てください」

3年前とは状況が逆転した2人ですが、安全保障に関する争点のひとつ、与那国島への自衛隊配備については、立場の違いを鮮明にしています。

瑞慶覧長敏さん「住民説明会もきちっとしたものがない中で、押し付け、強引というのが見え隠れする。これは主権の闘いなんですね」

西銘恒三郎さん「災害や軍事、漁業者の安全操業なども込めて、僕は自然体に構えてごく普通だと考えている」

一方、この2人に挑むのは新人の3人。自衛隊配備については、反対の立場を取っています。

大城信彦さん「今まで民主党県連が掲げてきた政策、平和の理念を国政、そして日本、そして世界に伝えたいという思いで今回出馬致しました」

前南風原町議員の大城信彦さんは、今の南西諸島の状況に「本当に戦争が起こりそうな危機感を持っている」とした上で「沖縄を非武装地域に」と訴えます。

大城信彦さん「南極条約と同じように、沖縄で軍事行動ができない沖縄条約というのを締結を図りたいと思う。与那国の自衛隊の配備ではなく、国際レスキュー隊とか地震の時に支援するようなそういった人道的なレスキュー隊みたいなものを誘致すべきだと思っております」

真栄里保さん「憲法改正そして国防軍の創設、そして核兵器保有の宣言。断じて許すことはできません」

「平和の議席の獲得を」と呼びかけるのは共産党新人の真栄里保さん。軍事的対応ではこうした問題を解決することはできないと訴えます。

真栄里保さん「与那国島に自衛隊を派兵することには絶対に反対です。冷静で理性的な外交交渉によって、日本の領有の正当性を示すことが大事だと思います」

魚森豪太郎さん「日本を変えるのは我々日本維新の会。準備は整いました。さあ、まいりましょう。がんばるぞ。」

今回初めて候補者を擁立した日本維新の会。魚森豪太郎さんは、自衛隊配備に反対の立場をとる党本部の方針に従うと話します。

魚森豪太郎さん「自衛隊の派遣ということに関しましては反対でございます。そして、今やるべきことというのは、海上保安庁の強化ということを注力していきたいと思っております」

多くの離島を抱える4区。小さな島々に、国家の安全保障という大きな課題がのしかかっています。国の専権事項といわれることが多く、地元の民意が軽視されがちな問題だけに、地元の意見を国政にしっかりと反映させていけるような人物が求められるのではないでしょうか。