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東日本大震災の発生から11日で丸1年半が経ちました。12日、那覇市では、南西諸島の巨大地震に関する最新の研究結果が発表されました。

第11管区海上保安本部がひらいた講演会で、琉球大学の中村衛教授は「これまで地震が少ないと言われてきた沖縄は、実は地震の帯の中にあり、国内で発生する地震の16%は沖縄で起きている」として、南西諸島は地震活動が多い地域であることを強調しました。

県内では、1771年に石垣島南方の海域で起きたマグニチュード7.4の地震により大津波が発生。1万2000人が犠牲になるなど、過去にも甚大な震災が発生しています。

本島地方では、近年600年から700年周期の津波の跡らしい痕跡が見つかっていますが、いまだ研究段階であり、明確な地震のパターンはわかっていません。

中村教授は「自分か、将来の世代の誰かが遭遇すると思って、避難場所などを確保してほしい」と呼び掛けています。


取材をした大矢記者に聞きます。これまで南西諸島では地震が少ないと言われてきましたが、実は多い。しかも、地震の周期などまだわからないことばかりということですね。

大矢記者「第11管区海上保安本部が制作したフリップをごらんください。きょうの中村教授の話では、この南西諸島海溝の一体には、巨大地震発生域で頻繁にみられる低周波地震や巨大地震発生域でよくみられる断層が点在していることがわかっているそうです」

ということは、万が一、巨大地震が発生した際には、東海岸が津波の被害を受けるということですか。

大矢記者「実は東海岸だけではありません。たとえば、沖縄本島南方で地震が発生した場合、津波は東海岸に到達した後、左右に分かれ、西海岸まで到達すると予想されています。しかも、西海岸の場所によっては、いろんな方向からの津波が合わさり、さらに強い津波が押し寄せる可能性もあると指摘されています」

では、県内全域で、津波などの対策が必要ということですね。

大矢記者「中村教授によると、たとえば巨大地震が発生した場合、那覇市には最高8メートルの津波が到達すると予想されています。さらに、到達時間は地震発生のおよそ10分後と予想されています。東日本大震災では津波の到達まで30分程度ありましたが、沖縄の場合は揺れが収まってから避難するまでの時間がさらに短いということになります」

具体的な対策はありますか?

大矢記者「きょうの講習会では、巨大地震が他人事と思わないこと、日ごろから避難できそうな高いビルを見つけて置くこと、避難訓練の徹底などを呼び掛けていました」