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きょうから新しいコーナーがスタートします「青山志穂の塩のこと教えマース!」このコーナーは沖縄の塩に詳しいソルトコーディネーターと共に、各地域の製塩所を巡り、塩の歴史や塩作りに関わる人たち、そしてその塩に合った塩レシピなどを紹介していく企画です。

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第一回目の今日はソルトコーディネーターの青山志穂さんをスタジオにお迎えしておりマース!こんにちは~。

塩のコーディネーターとは珍しいですね・どういった事をしているんですか?

青山志穂さん「ご存じのようにスーパーなどにはたくさんの塩が並んでます。日本には2000種類以上の塩が流通していて、その塩に関する知識や使い方を楽しく伝えるするのがソルトコーディネーターです」

こちらに青山さんから塩をお借りしました。こんなにあるんですか、本島北部から与那国島まで・・・沖縄では昔からこんなにたくさんの種類があったんですか?

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青山さん「これはほんの一部なんです。2005年の完全自由化に伴い、現在は30の製塩所、150種類以上の塩が作られています。昔は県内各地でこのようにいろいろ作られていたんですが、復帰後国の塩専売法という規制により、沖縄の海水を使う製法が禁止され徐々に減っていきました。一度は消えた沖縄の塩ですが、きょうはその塩を復活させた製塩所を訪ねてきました」

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この美しい海から取れる塩、シママース。沖縄では長年この海の恵みを愛用し、受け継がれてきました。

日本復帰後、塩専売法の規制によってこの伝統的な製法は禁止されてしまいました。昔ながらのシママースを取り戻そうとがんばり、沖縄県第一号の自然塩を復活させたのがこちらの株式会社青い海です。

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青い海・又吉元栄社長「専売法の中にはあれはダメこれはダメという法律があった。粉砕塩はダメ、立釜の鍋はダメ、海水は使ったらダメ」

本土復帰後は、日本専売公社が作る「食塩」を使うこととなり、100%沖縄の海水を使ったシママースの復活は認められませんでした。

又吉社長「可能な限り100%沖縄の海水で塩を作るんだと常にいってました。創業者はその意味では大変な時代を迎えていた。ゼロからのスタートですから」

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それでも伝統ある沖縄のマースづくりを復活させようという情熱は消えることなく、1974年、輸入した天日塩を再生するという形で、復帰後、初めて沖縄での塩作りが許可されました。

これが県民に親しまれているシママースの始まり。輸入塩を使いながら沖縄ならではの塩を作る。考えに考えた末の誕生でした。

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これがシママースの原料の天日塩です。これを沖縄の海水で溶かし使うことで、昔ながらの塩に近づけています。

天日塩はオーストラリアやメキシコから輸入しています。沖合い2000mからパイプで引いた海水で溶かし使うことで、海水に入った成分がうま味を出し、沖縄料理にあった昔ながらの塩に近づけていったんです。

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縮された海水はこの縦20m、横3.5mの大きな平釜で8時間煮詰めて塩になります。

青山さんと比べても分かります、大きな釜ですね。この平釜を使うことも昔ながらのこだわりなのでしょうか。

青山さん「平釜は効率が悪いので、今は使うメーカーも少なくなっている。ここでは昔のままの塩の結晶をつくるには平釜が欠かせないということで、今でも使い続けています」

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そして私も感動しました。ここは出来上がった塩を乾燥する部屋なんですが、一つ一つの箱には約1tの塩がはいっています。復帰前と同じく木箱を使い、2日~3日かけて自然脱水を行っています。これは脱水の時にできた塩のつららなんです。

にがりを下のブルーシートで受けているのですが、何度も使っているうちに塩のつららができているのです。こうやって自然脱水することで塩の結晶を壊さず、昔ながらのシママースに近づけているのです。

今回私を案内していただいた當間さんは勤続31年。ここでは一番長い方で、お話を伺ったら、子どもの頃はよく近くの塩田で遊んでいたそうです。その時食べたまろやかな塩は今でも忘れられないと言ってました。

大量生産をしないといけないここの会社でも、大切な伝統を残しつつ、塩作りを受け継いでいっています。

身近な塩ですが、初めて見るものばかりでした。ではちょっと味見させてもらいます。こちらがシママース、こちらは別の塩、比べてみるとやはり一つ一つ味が違います。

青山さん「バリエーション豊かな海の影響を受けるため、一つ一つ味にも違いがあるんです」

そんな味の豊かな塩に合うレシピもこのコーナーでは紹介していきます。今日は青山さんに持って来てもらいました

青山さん「こちらが『オクラのシママースかけ』です。塩もみしたオクラを素揚げし、シママースをパラパラとかけるだけ。このシママースはしょっぱ味が強くて、後味がすっきりしているので、揚げ物に合わせてあげるとあっさりとした後口でたくさん食べられます」

お酒のつまみにもいいですね。このレシピは青山さんのHPにも掲載されていますのでぜひ、ご覧ください。さて、このコーナーは毎月第1,第3火曜日に放送していきます。

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