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今月15日に香港の活動家が魚釣島に上陸、日本側はメンバーを入管法違反で強制送還しました。その直後、18日には国会議員や地方議員らが島に上陸。島をめぐって、緊張が高まっています。

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海上保安庁「こちらは日本国海上保安庁の巡視船である。貴船は日本の領海に向かっている、日本の領海に入らないよう針路を変更せよ」

この映像は海上保安庁が尖閣諸島・魚釣島に向かう香港人活動家を乗せた船を撮影したものです。映像は、およそ7時間あり、およそ30分に編集し公開しました。

巡視船は活動船に警告をしますが、活動船はその警告を無視し領海内に侵入します。巡視船は放水をしたり接舷するなど針路を阻みます。

海上保安庁「現在、物を巡視船『のばる』に対して2名が物を投げています」

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ヘリリポート「香港の活動家が乗ったみられる船が接岸し、活動家が上陸しました。中国とみられる国旗を掲げています」

午後5時半すぎに活動家7人が魚釣島に上陸。島では県警などが待ち構え、5人を不法に上陸した疑いで現行犯逮捕します。

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一方、活動船は島を離れ逃走を試みますが…。

海上保安庁「移乗した海上保安官により、船橋を制圧したとの情報がありました」

海上保安庁は、活動船に乗っていた残りのメンバーも入管難民法違反の疑いで逮捕し、全員を那覇まで移送しました。

県警や海上保安庁は「所要の捜査を行い、判断した結果、入国管理局への引渡しを決めた。政治的な判断はない」として、17日にメンバー全員を強制送還し、事件の幕引きを図りました。

石垣市民「いいんじゃないかと思います。(Q:どういった理由から?)これで揉めると中国の思惑通りじゃないかと思う。だから、日本も熱くならないで、こういう状況だからいい結果だと思います」

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香港のメンバーが強制送還された翌日、石垣市では国会議員や市民団体などが、1945年7月に尖閣諸島で起きた遭難事件で亡くなった人の慰霊祭を開きました。

国会議員らは、政府に対して魚釣島での慰霊祭実施のため上陸申請をしましたが、政府は「平穏かつ安定的な維持管理」を理由に上陸を許可しませんでした。

山谷えり子参議院議員「政府の対応は非常におかしい。間違っていると思います」

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島への上陸許可が出なかったため、メンバーは周辺海域で海上慰霊祭を開くことを決め、石垣港を出港していきます。

午前6時ごろに魚釣島に到着し、海上慰霊祭を実施。慰霊祭が終了した直後、事件が起きました。市民団体のメンバーや東京都議などの地方議員、合わせて10人が魚釣島に上陸したのです。

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山谷えり子参議院議員「正当化できるものではないかもしれませんけれども、気持ちというのはわかるような気がいたします」

しかし、上陸したメンバーは。

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東京荒川区・小坂英二区議「立ち入り禁止に入ったからって罰するようなことはない。それと同じ状態に尖閣諸島は置かれていると。日本人が日本国の領土に上がるということは、何ら罪に問えることではないと思います」

県警は軽犯罪法違反の疑いで任意での聴取を求め、翌朝、上陸した全員が八重山警察署を訪ねました。

石垣市民「(Q:上陸したことについて支持しますか、しませんか?)当然、支持です。わが国の領土なんでしょ、当然じゃないでしょうか」「支持しない。(Q:理由は?)ちゃんと外交ルートを通して、話し合えばいい。波風も荒くなって、尖閣列島危うしなんて言ったら困る」

今回の行動について、支持する・しないと意見が分かれるなかで、国に何らかの対応を求める意見も目立ちました。

石垣市民「日本の政府として、もっと、はっきりと行動してほしい。具体的な話し合いということ自体がされているのか全然わからない。多分ないと思うので、そういう場をまず設ける」

今回の、日本への挑発ともいえる香港の活動家の行為ですが、これに地方議員らが日本のルールを破って上陸したことは、相手の挑発に乗ったと言われても仕方がありません。

野田総理は今月24日の会見で「尖閣に領土問題は存在しない」とこれまでの主張を繰り返したうえで「不正上陸を繰り返さないため警備に政府の総力を挙げる」とも述べています。

そもそも領土問題が無いなら警備は要らないわけです。領土問題は国と国との話し合いで解決すべきであって、活動家や議員らが無意味に上陸を繰り返しているこの事態を終息させるために、さらなる外交努力をつむべきです。

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