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先週からお伝えしているオスプレイの環境レビューを読み解くシリーズ。きょうは、オスプレイの配備が迫る普天間基地についてお伝えします。

環境レビューには、住民の負担増につながるある事実が載っていないことが明らかとなりました。

午後9時。住宅街を飛ぶのはオスプレイが代替するCH-46。

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金城朝教さん「長い棒があったら、これでばちっといきそうなくらい低空飛行というか。やって来るんです。10時ごろ、9時ごろ寝ますが、まだ飛んでいるなという、いつも常々やかましいうるさい印象」

普天間基地集周辺は昼夜を問わず、激しい騒音にさらされているのです。

第2次普天間爆音訴訟では、住民3000人以上が国を相手に早朝・深夜の飛行差し止めなどを訴えています。しかし、オスプレイは、住民たちの思いとは全く逆の形で運用されることが明らかとなりました。

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環境レビューでは、現行のCH-46がオスプレイになると、夜10時から朝7時までの運用回数が76回から280回と4倍近くになると想定されているのです。

一方、騒音については、ホバリングでの着陸時にCH-46より若干大きいとしているものの詳細なデータを示していないほか、第1次爆音訴訟の控訴審判決で認定されたヘリコプター特有の低周波音による影響についても明確な見解を出していません。

うるさいのは、飛んでいる時だけではありません。

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去年6月、県と宜野湾市が防衛省に求めていた質問に対する回答書。この中でオスプレイのエンジンテストはCH-46に比べ、その騒音が20デシベル以上増加するケースがあることが明らかに。これは人の聴覚にとって、実に4倍にもうるさく感じられるものといわれています。

しかし環境レビューでは、こうした点については触れられておらず、住民の負担増につながる事実を隠そうとする意図も垣間見えるのです。

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砂川正夫さん「今以上にもう騒音ってうるさいと思う、ましてやオスプレイの騒音は。まだ実際に聞いたことはないけれども、大変だろうなということは感じ取ることができます。説明されない中で、やはり配備押し付けといった感じ」

さらに環境レビューでは、こうした影響が広範囲に渡る可能性が明らかになっています。付属の文書に示されたオスプレイの9つの飛行ルート。そのひとつでは、オスプレイが宜野湾市だけでなく、那覇市や浦添市の市街地上空を飛び回ることが記されているのです。

環境レビューで、明らかになる事実と触れられない事実。そこには都合の悪い事は隠し、配備を進めようとするアメリカ軍の思惑も見て取れるのです。

環境レビューではCH-46がオスプレイに替わることで、航空機の普天間基地全体での年間運用回数がおよそ11%減少するということがたびたび強調されています。

しかし、住民の負担増につながる重要なデータが載っていないということであれば、その信頼性に疑問符をつけざるをえません。

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