2012年5月25日 18時40分

Qリポート 新基地建設に反対する村 つながる思い

今月、復帰の日に合わせて韓国から基地問題に取り組む市民グループがやってきました。彼らとの交流を通して韓国と沖縄に共通する基地問題の課題が見えてきました。

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「普天間基地の移設案はこの海上基地です。私たちが海の上で抵抗運動しなかったら工事はもう始まっていた」

この日、辺野古を訪れたのは、韓国でアメリカ軍基地の問題に取り組む市民グループのメンバーです。彼らの目的は、およそ16年にもわたり、基地建設を止めてきた辺野古の市民グループと交流することでした。

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韓国最南端にある済州島のカンジョン村。辺野古と同様に豊かな海洋資源に恵まれた地域ですが、実はここでも新しい海軍基地の建設計画が浮上しているのです。

カンジョン村 カン・ドンギュン村長「先祖から受け継いだ美しくて大切な自然環境を守り、子孫に引き継いでいこうとする我々の意志と情熱が冷めることはありません」

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2007年5月、済州特別自治道が世論調査を実施した結果、海軍基地建設に賛成する意見が多数だったとして、計画の誘致を決めました。しかしその差はわずかなもの。

地元では反対運動に加わったカンジョン村の村長が逮捕されたほか、反対する住民に対して政府が国益に反しているとして、1人あたり80万円の罰金を請求したりするなど、異常な事態になっています。

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ピョンテク平和センターのカン・サンウォン所長は政府の圧力が住民の精神状態を不安定にしていると述べます。

ピョンテク平和センター カン・サンウォン所長「2009年にカンジョン村の住民を対象にした精神健康の実態調査をしました。精神的不安が見られるという所見が出たのが75.7パーセント。そして自殺をしたくなった衝動に駆られたことがある人々が43.9パーセントいました。カンジョン村の住民の精神状態がこのようになってしまったのも、国家が地元の人の意見を無視して強力に基地建設を進めてきたことに責任があると思います」

しかもこの海軍基地の建設を巡っては大きな疑惑が持ち上がっています。表向きは韓国軍の基地とされていますが、実際にはアメリカ軍が使うものと見られているのです。

カン・サンウォン所長「韓米相互条約を見てみますと、韓国にある基地はアメリカの必要性に応じて、いつでもアメリカに提供することができると書かれています」

韓国の市民グループが沖縄を訪問するのも16年目。彼らを受け入れてきた沖韓民主連帯のメンバーはこう語ります。

沖韓民主連帯・高橋年男さん「沖縄で米軍基地の問題が盛り上がったときに、韓国から訪ねて来てくれた。同じ痛みを持っているから寄り添える、手をつなげる、そんなのが一番大事なこと」

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沖縄と同様に、広大なアメリカ軍基地を抱え、2002年からアメリカ軍の再編が本格化している韓国。基地建設を巡って住民が二分されたり、反対する住民が政府に圧力をかけられたりする様子は沖縄と重なります。

市民グループのメンバー「韓国と沖縄は一つです。力を出して連携して闘いたいです」

沖韓民主連帯・豊見山雅裕さん「間違った国策に翻弄されている者同士、出会って話すと共通点がかなりある。こういう機会は大事なことだと思っています」

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互いに基地建設が正念場を迎える中、韓国と沖縄の絆を確認したようでした。

韓国の市民グループのメンバーたちは、基地建設を強行するやり方はカンジョンも辺野古も高江もとても似ていると話します。同じ基地問題に関する課題を抱える国々が情報を共通し、共に協力していくことが問題解決につながるのではということでした。

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