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県が設置を進めている第32軍司令部壕の説明板の文案から「従軍慰安婦」と「住民虐殺」に関する記述が削除されていたことがわかりました。

県では平和教育などを目的に、壕内の様子を記した説明板の設置を進めていて、2011年10月から2回に渡り、文案をまとめる検討委員会を開催。委員会は「従軍慰安婦などが雑居していた」との記述や「司令部壕周辺では日本軍にスパイ視された沖縄住民の虐殺などが起こった」という文言を盛り込んだ文案を提出しましたが、県はこれらの記述を削除することを決めたということです。

削除の理由について県は、平和祈念資料館所蔵の映像証言記録に「壕内には従軍慰安婦所はなかった」という証言があることや虐殺に関する証言の場所が特定できないとするほか「証言には両論があり、確証が持てないため」と話しています。

この問題に関して仲井真知事は「最終的にはきちんと確認できてないものをやっぱり一種の公文書みたいなものですから、内容によって適切であるかどうか、県は県で判断して書くというのは当然ではありませんか」と話しています。

一方、鉄血勤皇隊員として、第32軍司令部壕にも出入りしていた経験のある元県知事の大田昌秀さんは「事実は証言や文献からも明らか」とした上で「もし県が、行政の側がこういうことがはっきりわからないとすれば、そういう本を丹念に調査してきちっと事実関係を明らかにすべきだと思う」と述べました。

委員会では県に対し、削除の撤回を求める意見書を提出しています。