2011年11月22日 18時40分

Qリポート アジア市場開拓! 視察団上海へ

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ANAによる那覇空港の国際物流ハブ化事業が始まって2年が経ちました。

ハブ空港というのは、多くの路線の中継地点となって、ヒトやモノをより早く効率的に運ぶ空港のことです。例えば、日本で夜7時までに集荷された貨物は、翌日の午前中に中国の上海で配達されるそうなんです。

県では、このようなインフラが整備されたことをきっかけに、アジア市場への県産品の輸出や観光産業などの面でビジネスチャンスを探ってきましたが、今回は中国・上海を訪問した視察団が見た県産品を取り巻く現状をお伝えします。

「グスーヨーカリーサビラ!」「カリー!」

中国・上海。この夜、県の主催で沖縄の物産や観光などをPRするイベントが開かれました。

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ANAが運営する那覇空港の国際物流ハブ事業。アジアの主要都市から飛行機でおよそ4時間圏内という沖縄の立地を生かし、国内外の8都市を結ぶヒトとモノの中継地点にしようというものです。

今月、行政や企業経営者などおよそ100人の視察団が、県産品の市場での手ごたえを確かめようと、上海を訪れました。

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黒糖やモズクを使ったスイーツや泡盛のカクテル。試食しているのは県産品の魅力を広めてもらうため、県の上海事務所や地元の情報誌などを通じて呼びかけられたメディア関係者や流行に敏感な若者たちです。

女性「(Q泡盛カクテルはどう?)とてもおいしい。飲みやすいです」

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男性「(Q試食していかがですか?)黒糖とか色々食べたけど、他は名前がわからない。(Q沖縄について何か知っていますか?)あまり知りません。きょうは勉強しに来ました」

中国商品などと比べると、どうしても価格競争力に劣るという県産品。富裕層向けの高級スーパーなどでの販売が中心で、一般大衆にはまだそれほど認知されていないのが現状です。

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県が上海の卸売り業者を対象に実施したアンケートでは、およそ5割が「沖縄を知らない」などと回答したという結果も。

与世田副知事「沖縄だけに留まっていて、世界に認知されているわけではない。そういった意味では、もう一度県民・事業者と共に、魅力ある沖縄の商品をどのように作っていくのか考えていかなければいけないと思っています」

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日系企業が多く入る超高層ビルで開催されたパネルディスカッション。

那覇空港で取り扱われる貨物のうち、県内からの輸出量が極端に少ないことが指摘されました。

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沖縄地区税関のまとめによると、2010年の那覇空港で扱われる全貨物量はおよそ14万8000トン。ハブ事業のスタートした2008年と比べると、160倍近くにも。しかし、そのうち県内からの輸出量はおよそ165トン。わずか0.1%に過ぎないのです。

経済ジャーナリストの財部誠一さんは、新興国でビジネスをするためには、現地で「パーフェクトに信頼できる合弁相手」と組み、物流や販売網などを広げてもらうことが重要だと強調しました。

一方、県産品を取り巻く状況は、ことし新たな局面を迎えています。輸入食品が並ぶ市内の高級スーパー。以前は県産品も置かれていましたが、3月の福島の原発事故以降、中国政府は海産物を除く日本からの食品や農産物の輸入を禁止。現在、棚に県産品を見かけることはほとんどありません。

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上海最大の食品見本市を回るのは、アセロラを使った化粧品を販売する比嘉さんと県内の土産品店にフルーツなどを卸している中継さん。ここでも日本の出展ブースを見ることはできませんでしたが、世界の物産を見て刺激を受けたと話します。

中継さん「沖縄のものは素材が素晴らしいので、それを生かした形で付加価値をつけて販売できれば、今後残っていくのではと思っています」

比嘉さん「一喜一憂せずに、じっくりと沖縄のものを開発するのが今の時期じゃないかなと思います」

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現在、県では中国へ輸出が可能な海産物のPRに力を入れています。日本食ブームにより、中国都市部で急増しているというマグロの消費量。

男性「とてもおいしい。刺身がとても新鮮」

県の支援を受けながら、上海で沖縄のアンテナショップや料理店を運営するセツさん。本部産のマグロの美味しさを広めていきたいと話します。

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セツさん「沖縄からマグロを大量に仕入れできますので、ブロックしたものを日本料理店に出荷できるように努力しようと」

県産品は、上海の人々に着実に受け入れられつつあるようです。

沖縄からわずか2時間の距離にある2300万人の大市場。上海には、日々世界中からあらゆるモノが流れ込み、人々の選択肢も広がっています。

棚原記者「今や世界有数の大都市となった上海。このような街に住む人々に、どのように沖縄の物産や観光を浸透させていくのか。これからが正念場といえそうです」

かつての琉球には、貿易で栄えた黄金時代がありましたが、その際も県産品の輸出よりも中国と東南アジアをつなぐ中継貿易が中心だったということなんです。今の沖縄に必要なのは、魅力ある県産品の開発と販路の開拓なんですね。

次回の上海リポートは、沖縄を経由することを条件にしたマルチビザ制度を中国の人々はどのように見ているのか。来月の特集でお伝えします。

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