※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

Qリポートです。八重山地区の教科書問題は、国や県の指導・助言がなされないまま、1ヵ月以上過ぎました。未だ解決の糸口さえ見えない教科書問題ですが、今回、QABでは会議録と音声データを入手し、協議会での内容が見えてきました。

玉津会長「今度の会議も8名でしっかり、中身のある審議をお願いしたいという風に思っております」

8月23日。八重山採択地区協議会の冒頭で挨拶をする玉津協議会会長。今回、八重山採択地区協議会は玉津会長の主導のもと規約を全面的に改定。協議会から突然、学校現場の経験のあるメンバーをはずしました。

さらに、協議会の開催を前に現場の教師たちが専門的な視点で教科書を調べ、ふさわしい教科書を推薦する制度を廃止しました。

この規約改定について、元教員や学校関係者などから「現場の声が、教科書に反映されない」と反対の声があがっていました。しかし、玉津会長は採択には問題ないと反論しました。

玉津会長「協議会の委員の皆さんが、しっかりと教科書を調べて研究して、協議会の委員がその責任と権限で選定するそれが出来る委員を入れ替えたと。」

しかし、今回QABが入手した8月23日の会議録とそのとき録音された音声データ。はじめに、協議会のメンバーが分かっては困るとの意見から、教科書の投票は無記名で行われことが決まります。

さらに、国語の教科書を選ぶときに、玉津会長は協議中には教科書の名前はできるだけ伏せて推薦するように要請します。各委員から推薦した教科書について意見が述べられるなか、ある委員からこんな意見が。

委員「これを何のために言っているのか。どういう協議に資するためものでなければ、時間の無駄ですよねえ。」

玉津会長「ここで思いっきり議論していこうということではないと私は思っております。私たちお互いがですねぇ、こういう観点から私は教科書を選びましたよという意思表明だと思っている。」

その言葉のとおり、注目されていた歴史の教科書の部分は、およそ30分に渡り各委員の意見が飛び交い、選定が行われた結果、帝国書院が答申されます。

しかし、次に行われた公民の教科書の選定の協議は10分足らずで終了。投票の結果、育鵬社が答申されました。数学を選ぶ作業に入りますが、その直後にある委員が疑問を投げかけます。

委員の疑問に対して、議論を打ち切ろうと玉津会長。しかし委員は、育鵬社の教科書を選んだ理由について追求します。そしてこの委員から、今回の協議会の根底を揺るがす発言が飛び出します。

委員が暴露した「教科書を見なくても見たと言えばいい」という玉津会長の発言。教科書を選ぶ立場にある協議会が、実際は機能していなかったことをうかがわせます。

結局、協議会ではなぜ育鵬社が選ばれたのか話し合いが行われることはありませんでした。今回の協議会の内容について、玉津教育長は「今は答えられない」とコメントをしています。

会議録などからは、協議会そのものがしっかり行われていなかったのではないかと疑問が多くあります。玉津会長をはじめ関係者からは何が協議会で行われたのか、説明が求められています。