※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

八重山地区の歴史教科書の選定を巡る問題で、県退職教職員会は18日、沖縄戦の記述が不十分だとしてふたつの出版社の教科書を採択しないよう声明を発表しました。

声明は「沖縄戦を捻じ曲げ、戦争を美化するような教科書を沖縄県民自らが選択することは、犠牲になられた御霊への冒涜。子どもたちを戦争の道へと誘導するような教科書は断固不採択にするべき」と訴えました。会見を開いたのは、県退職教職員会のメンバーなどおよそ20人です。

声明では育鵬社と自由社の教科書が、沖縄戦の最中に起きた集団自決の記述に日本軍の強制や関与の事実が書かれていないことなどをあげ、採択しないよう訴えました。

中学校の歴史教科書の選定を巡っては、八重山の採択地区協議会が突然、学校関係者を選定メンバーから外したため、その背景に特定の教科書を採択する意図があるのではと教職員たちから反発の声が上がっています。

また、有志の会・呼びかけ人の津多則光さんは「自由社・育鵬社の教科書は沖縄の歴史や現状を正しく学ぶことのできる教科書とはなっていません」と話します。

八重山出身の教職員ら160人で作る有志の会も要請書を協議会などに送りました。今回の問題は八重山だけの問題ではなく、沖縄戦の実相を捻じ曲げるものだと危機感を示しました。

有志の会では要請書は18日付けで、八重山採択地区協議会と協議会を構成する各教育委員会に送ったということです。協議会の教科書の採択は8月23日の予定です。