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きのうときょう、夏の熱い太陽の下、水しぶきを上げて全国大会への切符をかけ熱戦を展開した水球です。水中の格闘技と呼ばれるほど、激しいスポーツ・水球。優勝を狙う小学生チームには、水の中は無敵と豪語する難病と戦う少年の姿がありました。

九州の小学生から高校生までの12チーム、約140人が全国大会への出場権をかけ争う全国JOCジュニアオリンピックカップ夏季水球競技大会九州地区予選会

沖縄フリッパーズ(中学の部)砂辺昭利監督「前年度も中学校の全国大会決勝が、福岡と鹿児島だったので、九州で勝つのも大変」

九州を制するものが、全国を制すると言われる程高いレベルの九州。がぜん大会への注目が高まる中、沖縄は小学生、中学生ともに、沖縄フリッパーズが出場しました。

小学生のチーム沖縄フリッパーズは、この大会の優勝候補。初戦では鹿児島を相手に強さを見せ付け、4対1で快勝しました。

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この試合にも出場し、チームのレギュラーメンバーとして活躍するのが小学校5年生のナンバー6番、砂辺利貴くん。彼は今、一人難病と戦っています。

砂辺利貴くん「とてもショックで泣いちゃいそうでした」

利貴君は、およそ1年前の小学校4年生の時、原因不明の病気「ペルテス病」を発症しました。

10万人に5人の割合で発症するとされるペルテス病は、股関節の血流不足によって、太ももの骨の頭の部分が崩れてくる病気で、成長とともに回復する例が多いのですが、回復するまでの期間は、股関節へ負荷をかけられず、器具で固定するなどして、スポーツを断念しなければなりません。しかし・・・

利貴くん「水球だと水の中なので、(股関節に)体重がかからないので医者にOKと言われました。とても嬉しかったです」

利貴君のお父さんは、中学校の監督・砂辺昭利監督です。

砂辺昭利監督「自分が水球をやっていて、息子にこういう病気が起こったんですけど、自分の家族なら水球を通して克服できるかなと思っています」

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病気が発症した時、偶然にも父と一緒に水球をやっていたことが利貴君の大好きなスポーツを奪うことにはならなかったのです。

利貴くん「水の中では誰にも負けません!」

砂辺昭利監督「(普段から)頑張っている子なんですけど、成長してくれたら親としても嬉しいです」

初戦を快勝し、準決勝に挑んだ青の帽子・沖縄フリッパーズが、決勝をかけて対戦した相手は白の帽子・宮崎(サンフラワー)でした。

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4分の4ピリオドで争われる試合は、第1ピリオド宮崎に先制を許したものの、沖縄のエースストライカー6年生のキャプテン玉川貴涼が大活躍。第2ピリオドではキーパーも好セーブを連発、宮崎を引き離します。

最終第4ピリオドでは、ナンバー6・砂辺利貴が今大会初のシュート6点目とダメを押すと、さらにこのあとペナルティーシュートも決めて7対2と宮崎に快勝しました。

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玉川貴涼キャプテン「全国では絶対にベスト4には入りたいと思います」

利貴くん「全国では自分の力を発揮したいと思います」

なお、沖縄フリッパーズはきょうの決勝戦で惜しく福岡に敗れたものの、全国切符を手にしています。

きょうの3位決定戦で中学生の部は九州3位が確定。一方、小学生のチームは8月25日大阪で全国大会に挑みます。