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那覇空港をハブとしてアジアや日本の主要都市を深夜、貨物専用機で結ぶ沖縄貨物ハブがスタートから来月で1年を迎えます。1周年を前に、県産品の販路拡大など新しい展開が始まっています。実近記者です。

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仙波社長「日本の物流、物流イコール人、モノ、金、新しいアジアの経済の流れを作っていくと」

今月8日、沖縄貨物ハブのスタート1周年を前に、ハブ空港の活用をさらに推進しようと始まった新しい事業の記者会見。全日空の沖縄貨物ハブは去年の10月にスタート。那覇空港をハブに、国内3ヶ所、海外5ヶ所の合わせて8空港を結び、夜に各地を出発した貨物機が、深夜に那覇空港に集結し、荷物を乗せ換えて、翌朝には再び各地に到着するという国内初の本格的なハブアンドスポーク方式の航空輸送プロジェクト。

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謝花喜一郎 県企画部企画調整統括監「せっかくやったわけですけども、思ったほど、県産品が少ないわけですよね」

事業では、県産品の海外での販路拡大や県内への企業の誘致。貨物だけでない国際線の新たな就航や,海外からの観光客の増加と現在の課題克服から、将来に向けた4つの柱でなりたっています。組織された共同企業体には電通や県産業振興公社のほか、県内の各シンクタンクが参加していて、これまでにないタッグを組んで臨みます。

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県産業振興公社平良敏昭専務理事「オール沖縄で、持っている力を最大限発揮する」

記者会見の翌日、早速、上海から那覇空港に到着したのは上海の貿易会社、ラスアルカイマのセツ社長ら。県産品の販路拡大のため、県が今回の事業の一環として招待したのです。到着した日の、セツ社長は、県内の水産会社6社の担当者と会いました。初めての顔合わせです。

ラスアルカイマ セツ社長「一つのブームとして、キハダを送りましょうと」県は、県産品、特に水産物を中国に輸出できないか方策を探っています。中国国内の輸入規制で野菜など農産物は沖縄からの輸出ができないためです。セツ社長は、沖縄で水揚げされるマグロを沖縄ハブを使って、中国に送りたいと思っています。

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ラスアルカイマ セツ社長「健康志向中心になったと、いま、中国のお金持っている人と、接待される側の人と、みんな、健康を注意しながら、食べ歩くんですよ」輸送コストや関税などで、多少価格が高くなっても健康志向の中国の富裕層は、日本産の安全な魚を買うと、セツ社長は話します。全く新しい市場への進出。県内の関係者は興味シンシンです。

坂下水産 當山清範社長「中国側の空港には、通関切れるまで冷蔵庫とかはあるんですか」「あとはどういった感じで安心なんだという伝え方だと思うんですそうですね、養殖場でどういう養殖場で何をされたんかと、何を食べさせたんかと」

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日本の他の市場との競合も、県内の水産関係者の大きな関心です。

ラスアルカイマ セツ社長「築地からもマグロじゃなくてほかの魚が来ました。マグロも含めて、上海に来て、3回とも腐らした。まず便ですね。着く便は午後2時なんですよ。で、午後2時に着いたらその日に通関はもう出来ない。翌日通関します。翌日になって、ギリギリ早くなっても午後の2時か3時くらいになりまして」「沖縄便というのは」「朝4時に飛んで、6時に着くわけです。我々通関業務を8時にするわけです。我々一番早いのは午後1時半にモノを取ったんですよ」「物流の手段は断然に沖縄県に勝つところは全然いないので」

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坂下水産 當山清範社長「感触としては、面白いですね。正直言って面白いです。僕らも本州に送ったりしているんですけど、それ以外にやはり近いし、実際、全日空の方も協力体制できているんであれば、本州よりももしかしてマーケットは大きいだろうし、やってみたいなという気はあります」

ラスアルカイマ セツ社長「流通というのはスピードですから」「沖縄という土地の良さというのは、立地条件はほかの場所は勝てないですよ。台湾でも駄目だし、福岡でも九州でもできないことが沖縄でしかできないですよ」

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今回、ラスアルカイマ セツ社長と共に沖縄を訪れたのは、中国のブライダル業者。車内で、着替えやヘアメイクが出来る沖縄のブライダル業者が導入したウェディングカーを視察。中国で人気が高い、結婚式の写真撮影。沖縄でのロケーション撮影の可能性を探りに来たのです。スタート1周年を前に、沖縄貨物ハブを巡る、日中のビジネスが再び加速しています。

最近、中国と日本は、ちょっと緊張関係ばかりが強調されていますが沖縄にとっては、やはり地理的にも近く、昔から様々な交流がありますからね。沖縄の美味しい新鮮な魚を、その日に中国の人に味わってもらって、中国からも様々なモノを運んでもらって、沖縄ハブをうまく活用したウィンウィンの経済効果を期待したいですね。