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統一地方選を締めくくる11月の県知事選挙まで3カ月。仲井真県政の継続か、野党が県政を奪還するのか。普天間問題を左右する知事選に政府も注目するなか、与野党の人選作業が大詰めを迎えています。特に、先の参議院選で統一候補を擁立できなかった野党は、いまだ共闘という形になっていません。野党の動きを追いました。

県政与党の自民党はきのう、仲井真知事に2期目の出馬を要請しました。公明党は同席したものの、まだ組織決定していないとして要請はしませんでしたが、近く、独自に要請を行う方針です。

自民の要請に対して仲井真知事は即答は避けたものの、知事の後援会は4年前と同じ時期の9月初めに出馬表明の段取りを決めたといいます。

一方、先の参議院選で統一候補の擁立に失敗、分裂選挙で敗れた野党は、先月、社民、社大、共産の3党で構成する選考委員会をスタートさせました。

その後、各団体と意見交換を行ったところ、ほぼすべての団体が、宜野湾市長の伊波洋一さんの名前を挙げたといいます。

前田政明・共産党県委副委員長「社民、社大、共産で一致して、多くの団体とも意見交換しておりますけども、一致する基本姿勢、普天間基地の閉鎖返還、県内移設断念、海兵隊の撤退。県民に暮らしを守る県政をつくろうという点を今度の基本姿勢で示していますから、この基本姿勢に賛同する方々であればどういう政治勢力であれ、我々は心から歓迎をする」

ただ、この選考委員会に民主党県連は参加していません。普天間の移設先で、党本部とねじれ状態が続いているためです。

民主党県連の喜納昌吉代表は、政権与党としての立場上、社民など3党主導の人選作業に不満を隠しません。

喜納昌吉・民主党県連代表「第三極、第四極があってもいいんじゃない。(Q:単独でという形でも考えていますか?)そんなことは考えてはないけど、ただ沖縄に対する政策、我々が持つ政策を受け入れる党であれば一緒にやっていきます」

民主党は、3党の人選作業に加わるのか、独自候補を立てるのか、県連としての結論は9月に先送りしました。これは県連内での役員間の対立が影響し、議論が深められないという状況にあるためです。

また、国民新党を中心とした第三極のグループの動きが活発化しています。自公でもなく、社民、社大、共産でもなく、政権与党の民主と国民新党が手を結ぶという考え方です。

呉屋宏・国民新党県連代表「政権与党で枠組みを決めて、まずは政権与党で知事選をどうするかということを決めなければ。参議院は政権与党でスタートしなかったところに僕は問題があったと思う。そのスタンスをしっかりさせるという必要だった」

さらに呉屋代表は、社民など3党の人選作業は、特定の候補ありきだと批判しています。

呉屋宏・国民新党県連代表「決まった後で、民主党さんも国民新党さんもこの方で飲みなさいというような話になるわけでしょう。もうこの段階で枠組みを決めて候補者選出をスタートしているということは、ある意味では3つにわかれるというような可能性だって残されているわけです」

つまり政権与党として、辺野古への移設を進める側にとって、県内移設反対の伊波洋一さんを推すことはできないという理由があります。

これに対して社大党の大城一馬副委員長は、次のように反論します。

大城一馬・社大党副委員長「人ありき、人選ありきと言われていますが、それはまったく違う。最初の選考委員会の中では基本姿勢、知事選に臨む基本姿勢これを議論しました。わたくしどもはまだ人選には具体的には入っておりません。今は意見聴取の段階だということです。ですから決して人ありき、人選ありきではないということは確信しております」

金城記者に聞きます。つまり、現職と野党の伊波さんのほかに、第三極から1人立てて、三つ巴になる可能性も?

金城記者「今のところ民主党と国民新党では、普天間基地をめぐって、県内反対と県内容認という相反する立場にありますので、三つ巴ということは極めて低いでしょう」

民主党県連は参議院選で「党本部から方針が違うから候補者を立てたらダメ、応援するのもダメ。知事選はそうはいかない」といきまいていましたが、党本部に逆らわず、国民新党と?

金城記者「その可能性は低いでしょう。国民新党はとにかく、社民、社大などの3党の枠組みから主導権を握りたいという思いが強く働いています。民主は支持者が保守、革新からなっていまして、国民新党と結びつくと支持基盤が崩壊してしまいかねないリスクがあります。ですから中央イコール地方とはいかない事情がそこにある」

民主党は最終的に自公側、現職側につくこともある?

金城記者「それはないでしょう。現職につくということは、去年の衆議院選で民主党を支持した有権者への裏切り行為となります。党本部の締め付けと、県民の批判をかわすためには、最終的には『自主投票』という形になるのではないでしょうか。その場合、民主党の沖縄における存在意義そのものが問われることになるでしょう」