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Qリポートです。「振り込め詐欺」という言葉を聞くと、被害に遭うのは高齢者ばかりというイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。全体の被害件数は年々減っているものの、実はこの振り込め詐欺、「オレオレ」だけではなくいくつかのパターンがあり、若年層にも被害が多いことがわかっています。棚原記者です。

今月8日、那覇市の銀行で行われた声かけ訓練。ATM前で、そわそわしているなど様子のおかしな人を見つけたら、声をかけて振り込め詐欺を防止しようというものです。今年4月には、女性行員が70代の女性に声をかけ、被害を未然に防止する例もありました。

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このように、高齢者が騙されやすい「オレオレ詐欺」の被害は減りつつあり、ことし上半期の被害件数はゼロになりました。しかし、実はこんなデータもあります。「架空請求詐欺」や「融資保証金詐欺」で騙されてしまう若者のほうが多いのです。

メールやダイレクトメールを無差別に送り、「有料サイトの利用料金が未払いです」と騙したり、「これから裁判の手続きに入ります」と脅したりして、お金を請求するのが「架空請求詐欺」。実際には融資をしないのに、融資するという内容のメールやハガキを送って、申し込みをしてきた人に「保証金を先に入金してください」「審査料が必要です」などを理由にして、お金を騙し取る手口が「融資保証金詐欺」。

ことし上半期の県内の被害件数は、「架空請求詐欺」が6件、「融資保証金詐欺」が3件。ひとりを除いて、被害者は20代から30代、男女比はほぼ半々です。この中には、20代の男性が計300万円をだまし取られた例もあります。

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ことし、携帯のサイトで融資保証詐欺の被害に遭った別の男性はこう振り返ります。「いくらほど借りたいですかと聞かれたので、130(万)ぐらいを必要だってことで話が進んでいきました」「額が額なので、保険を払ってくれということで」「最終的には、30万振り込んだところで、じゃあ融資は可能ですと言われて」「ヤスオさん(担当者)って方いますか?ってお願いしたら、今会議で出れないと言われて」「そのあと、もう電話が通じなくなってて、それでその時にやられたなと思いまして」「今、考えるとおかしいんですけど、僕もせっぱつまっていたんで」「オレオレ詐欺とか、よく聞く詐欺については知っていたんですけど、金融関係の詐欺っていうのは自分がひっかかった時に気づいたもので、今までちょっとそこは知らなかったですね」

若者に被害が多いのはなぜなのでしょうか?那覇警察署 金城和郎 生活安全官「架空請求詐欺」について「アダルトサイトというのは、子どもたちが興味があるところで、そういった心理をついてくる。そして、誰にも相談ができない。そういったところが、振り込め詐欺の盲点」 「融資保証金詐欺」について「お金に困ってる人たちにとっては、ちょっとの情報でもあれば、どうにかお金を融資されたい。そこにつけこんだ詐欺」警察や金融機関では、若者に対して注意を呼びかけています。

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沖縄銀行本店 金城善輝 営業部長「このようなポスターとか旗がありますけども。まず、視覚で訴える。これが一番重要だと思います。それから、声かけですね。今日やった訓練を通して、再度意識を強化する」

県警では、架空請求詐欺は、メールやインターネットの使用頻度が高い若者に被害が多いことから、去年6月より振り込め詐欺に関する情報を集めるための専用メールアドレスを設置しています。

今後、不況による融資保証金詐欺の増加なども懸念される中、県警では、「被害に遭っても相談できずに、警察に届けない人も多いはず。継続的に周知して撲滅を目指したい。」と話しています。

お年寄りに限らず、人の弱みにつけこむ詐欺はどんなところにもあるということですね。万が一被害に遭ってしまった場合は、恥ずかしい、などと思わずにすぐ警察に相談することですね。