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高額なお金を支払って買った壕の中で最愛の親族を失った住民がいました。

与座岳のふもとにある第二与座壕。250円を支払ってこの壕に入った松茂良美智子さん一家にも、日々、悪化していく戦況が手に取るようにわかったといいます。

松茂良美智子さん「火炎放射器みたいなのがびゅんびゅん飛んでくるんです」

日本軍は摩文仁地区に撤退を完了しますが、それをを追って南下してきたアメリカ軍の攻撃で、南部一帯は地獄の戦場となっていました。

松茂良さん「今考えたら、あの爆弾が破裂していたら多分死んでいただろうな。こっちに落ちていたからね」

爆弾には当たらなかったものの、爆発の衝撃で壕の中に避難していた松茂良さんの甥っ子(1歳)は、悲しい運命に・・・。

松茂良さん「うちの兄の子どもが壕の入り口に爆弾が落ちたため、土が胸の上に落ちてきて、呼吸困難で亡くなったんです。自分の身内であっても、だんだん冷えていく体は。私が一番かわいがっていたから、この子を」

家族の命を救うために高いお金を払って買った壕でしたが、松茂良さんの甥っ子は6月5日に息を引き取りました。

松茂良さん「今でも鮮明に覚えております。思い出すたびに胸が詰まります」