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普天間基地の移設について、政府は県内移設案を中心に複数の案で対米交渉すると見られます。「少なくとも県外」と言った鳩山総理大臣の真意はどこにあるのか、県民の不信感も強まっています。

鳩山総理は23日夜、普天間基地の移設先に関する政府案をまとめるため、関係閣僚を公邸に集めておよそ1時間半、協議しました。協議では、キャンプシュワブ陸上案や勝連半島沖を埋め立てる案の他、九州に訓練を分散する案などこれまでの検討状況が報告されました。

24日午前の記者会見で平野官房長官は「(移設案が)10以上あった。まず第一義的には、検討委員会で議論されてきたこと。2つめはいろんな方々から情報を別途頂いている部分。これを私がある程度集約して報告した」と述べました。

キャンプシュワブ陸上案を含め、県内移設案を中心に対米交渉すると見られる政府の動きに、名護市の稲嶺進市長は取材に対し「これまで私は海にも陸にも駄目だということを言ってきた。今頃(シュワブ陸上案を)持ってこられても受け入れる余地なんて全くない」と述べました。

また、街では「(民主党に)選挙のための材料にされたような気がしないでもない」と不信感を募らせる声も聞かれました。

民主党県連の喜納昌吉代表らは平野官房長官と24日に面談し、普天間基地の県内移設に強く反対する民意をあらためて伝えました。

平野官房長官と面談した民主党県連の喜納代表らは、普天間基地の県外・国外への移設を求める県連の決議を手渡しました。この後、移設先に関する政府の検討状況を質しましたが、具体的な回答はなかったということです。また喜納代表は、政府が総理官邸に「沖縄連絡室」を、独自に設置したことも問題視し「県連を窓口とするべきだ」と訴えましたが、平野官房長官は「政府と政党は別」と述べ、取り合わなかったということです。

面談後、記者団に対して喜納代表は「いつの間にか県連への相談もなく、勝連案が出てくるとか、シュワブ陸上案が出てくるとか、カジノができるとか、訳がわからない。沖縄連絡室が出来るとか、情報をオープンにするという民主党政権の在り方と全く違うことがなぜ沖縄だけ起こるのか不思議でならない」と不満を噴出させました。

鳩山総理の真意はどこにあるのか、つかみかねますが、あすは北沢防衛大臣が沖縄入りするんですよね。

岸本記者「実はあさってから沖縄の陸上自衛隊の規模が大きくなって、これまでの駐屯地から旅団に格上げされます。その式典に担当大臣として参加することが一番の目的です」

自衛隊の規模拡大というとますます、鳩山政権の方向性が疑問ですが、知事にも会うんですよね?

岸本記者「大臣と知事はあさって26日に会談する予定ですが、普天間基地の移設問題については、まだお互いに腹の探り合いといった状態が続きそうです」

平野官房長官はけさ、こう述べています。

平野官房長官「(政府の原案は)伝えないと思います。そうすると、またどっちなんだということになりますから、政府としてのベース案、基本的な考え方が整理されない中で伝えるということはないと思う」

岸本記者「こうした状況が続くと、政府に対する不信感も強まります。また、アメリカ政府も、地元の同意がなければ『新たな移設先の交渉には応じない』とはっきりと言っています。こうした今の状況は、問題をただ先送りしているだけで『政府案が決まるまで待て』というのはあまりにも傲慢で、誤解を招きやすいやり方だと思います」