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Qリポートは、ドクターヘリリポートの第9弾です。去年、募金など多くの人の支援で運航を再開させた北部の民間ドクターヘリ「MESH(メッシュ)」ですが財源を民間に頼るがゆえに、厳しい状況に変わりはありません。それでも、命を救うために活動する医師達の姿は地元の高校生を動かしました。そして、MESHの支援の形にも変化が現れています。

小濱正博医師「産みの苦しみがあり、それをまた育てる苦しみがまだ続いているという状況の中では、そこで応援してくれている人たちというのはやっぱりかなり思い入れの強い人でしょうね。」

こう語るのは北部の民間ドクターヘリ「MESH」の代表、小濱正博医師。資金難から1年間運航を休止していた「MESH」ですが運休以降、小濱医師らドクターやナースが自ら街頭に立ち、運航再開を呼びかけた行動が大きな支援の輪を広げ、去年6月、運航再開にこぎつけ、再び命を救うための活動が行われています。しかし、運航を再開させたとはいえ、資金面での苦労は続いています

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小濱正博医師「今の運航形態であれば恐らく4月かな・・・。で終わるかな・・・」

MESHのウェブサイトには、運航期限は今月末までと記されています・・・。

小濱正博医師「財源が尽きれば、それで終わりですからね、実際。飛ばしたいと願っても、運航会社との契約の上になりたってますからね。民間だから、お金がなくては飛べないという現実があるんでね」

現在、MESHはNPO法人「MESH」サポートがヘリの運営にあたっています。運営費は個人のサポーター会員と企業や団体のサポーター会員の年会費、並びに企業や市町村などの支援金で成り立っています。現在、1万2696人の会員がいますが、会員の内訳を見ると98%、ほぼ全てを個人の会員が支えています。

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さらに、その個人会員も94%が年間1000円のサポーター会員。しかも、徐々に広がりを見せてはいるものの会員の大半は北部地域に暮らす人々。また、1年間のサポーター会員の更新率が悪く1000円サポーター会員の実態は実数とはかなり低くなっている現実もあります。しかし、一方で「光」もみえてきました。MESHの活動を企業が支援する形が定着しつつあるのです。

小濱先生会見「向こう1年は何とかなるという状況ではありますが、じゃあ次の年の見通しが今現在でついているかというと、ついていないというのが現状ですね。だからこれから半年間でやはり次の1年間の運航費をまた積み上げていかなくてはいけないということで」 

去年の運航再開式典で決意を語った小濱医師命を救いたい。その決意に、地元の高校生が立ち上がりました。去年12月、地元北部の7つの高校の生徒400人が辺戸岬からMESHのヘリポート名護までの90.6キロを駅伝でたすきをつなぎながら、MESHの永続運航のための支援を呼びかけたのです。

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アナウンス・車内「一日でも長くドクターヘリが飛び続け、一人でも多くの命を救うため皆様のお力をお貸し下さい」宣伝カーでマイクを握りメッセージを伝える高校生や、駅伝のコースでは、他の高校生たちがサポーター会員入会を呼びかけるビラを配りました。

ビラを受け取った男性「はい、良かったらお店の客さんとかに渡しておきますよ。(すみません)渡しておきます。サポーターにしますよ」高校生のこの熱い思いに、沿道でも多く人が応えました。

スタートから約7時間余り、ついに90.6キロを走りぬきMESHが待つヘリポートに到着です。小濱医師に高校生の思いをつないだたすきが渡されました。

緑のTシャツの女の子「自分たちにも何かできることがあるんだなってわかって、本当に達成感でいっぱいだし、これからもMESHを応援し続けていきたいと思っています」髪を前に結んだ女の子「もっと皆に知れるように、高校生が立ち上がって頑張りたいです」男の子「とってもきつかたんですけど、走るのは、でも、MESHのために頑張って走りました」

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小濱先生挨拶「我々は日常の中で救える命を救うために、皆医師もですねナースも命がけでヘリに乗って、現場へ飛んでおります。その行為を皆が理解していただき、本当に支えとなってくれているという行動を起してくれたことに本当感謝しています」「我々も決してブレないで、救える命を救うために、できる限りの力を尽くして、このやんばるで飛び続けていきたいと思います」

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「MESH」が現在ある資金で運航を続けられるのはちょうど去年の運航再開から1年を迎える今年の6月から7月です。厳しい状況ですが、一方で、企業の大口の支援も増えています。MESHが運航を続けるためには、息の長い支援が必要です。以上Qリポートでした。