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Qリポートです。多重債務者の増加など、近年借金をめぐるトラブルの急増で法改正の動きが進んでいることをご存知でしょうか?来年6月まで完全施行される「改正貸金業法」この法律、貸す側の貸金業界だけでなく、私達、借りる側にも大きなリスクをともなうのでは?と今、一部で危惧する声があがっています。その問題とは何なのでしょうか?

株式会社ジャパンクレス 県内で事業者向けの金融業を営んで今年で44年。優良企業として銀行からも信頼を得ている企業だが、来年に控えた改正化資金業法に翻弄されている。

ジャパンクレス・知念太郎社長「嵐も嵐・・・大地震と言ってもおかしくないくらい」

知念太郎社長が「嵐」と表現する「改正貸金業法」とはいったいどんな内容なのだろうか。改正貸金業法は全国的に問題となった多重債務者の増加に歯止めをかけ、救済することを主な目的に2007年1月から段階的に施行され、来年の6月に完全施行される。

改正される主な柱は、貸金業への参入条件の厳格化などを定めた 1 貸金業の適正化や上限金利を引き下げ、グレーゾーンを撤廃する 2 金利体系の適正化など主に4つ。改正から3年弱で多重債務の問題にも改善の兆しが見えてきたという。しかし、この法改正によって貸金業界は今、風前の灯というのだ。

ジャパンクレス・知念太郎社長「貸金業界なくなるんじゃないかと思ってますね」「(貸金業者が)残れるような法改正ではない。ほとんどが残れない状態だと思います」

段階的な法改正の中で違法行為の罰則や、金利が徐々に押さえ込まれたことなどを理由に全国の貸金業者数は1986年の4万7504件をピークに年々減り始め、今年10月時点では、実に10分の1の4752件にまで減少県内の貸金業者も1999年の1081件がピークで、今年は149件にまで減少している。さらに2006年1月、いわゆるグレーゾーン金利が最高裁で違法と判断されたことで、過払い金請求が増大。貸金業の経営を圧迫しているのだ

ジャパンクレス・知念太郎社長「貸金業者の大半というのは無担保で即決、短期間でスピードを持って融資をしていくと、そこでどうしても銀行よりリスクが高くなってしまうので、そのリスクを補うために金利が高くないと出来ない簡単に言えば保険料と一緒だったわけですね」「リスクが変わらないにも関わらず銀行と同じ金利でやりなさいというふうになった時に経営は出来なくなるんじゃないですか根本的には」

改正貸金業法が与える影響は貸し手側だけではない今後は借り手側にも影響が出そうだ。それが「総量規制」「総量規制」とは、過剰な貸付を抑制するために、借り手の年収の3分の1を超える貸付を禁止するというもので、例えば収入のない専業主婦などは配偶者の年収の3分の1まで借りられるが、その場合、配偶者の同意と夫婦関係を証明する書類の提出が必要になるという。

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「女性自立の会」有田宏美理事長「借りられるところをさまよう人達が出てくるのではないかということは危惧しています」

多重債務問題に苦しむ女性達の駆け込み寺として東京で活動するNPO法人「女性自立の会」の有田理事長は、法改正を評価しつつも、問題点も残ると指摘する。

「女性自立の会」有田宏美理事長「(総量規制によってお金を借りられなくなった)今の多重債務者どこに行くんだろうというふうな困った人達がみんな(債務整理などの)相談場所、正しい相談場所に行ってくれるならきちっと解決が出来るかもしれないけれども、その部分に対する不安はすごくあります」

総量規制によって借金が抑制される面もあるが、現在の多重債務者をケアする受け皿の整備が整っていない現状を有田さんは危惧しているのだ。

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ぐるくん店主・奥平秀光さん「はい!いらっしゃい!魚見ていって下さいちょっと」お客さん「おっ〜〜っ!」那覇市内で28年間、居酒屋を営んでいる奥平秀光さんは総量規制や、より厳しくなる貸付審査などで、今後の資金調達に不安を抱いている。

ぐるくん店主・奥平秀光さん「一番ありがたいなと感じるのはですね。“雨降りに傘を貸してくれた”という印象で思っています」景気は厳しい状況だと嘆く奥平さんだが、ここを乗り切ればと懸命に頑張っている。そんな奥平さんのように仕入れなど、一時的な資金調達は銀行ではく、貸金業者に頼るのが利便性があるという

ぐるくん店主・奥平秀光さん「(事業者金融がいなくなったら)そうなったらどうなるんでしょうね。かえってこっちの方が怖い。と思います。どうなるんでしょうね。僕が聞きたい。」

良い貸金業者がいなくなれば、自然とヤミ金に手をだすのでは・・・貸金業界が調査した全国の事業者へのアンケートからは切実な声が聞こえてくる。

ぐるくん店主・奥平秀光さん「雨降りって毎日続くわけじゃないですから」「短期間にぱっと貸して頂いて、そして“晴れの日を迎える”そういうことは今まで何回もありましたよ」

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急速に進む、改正貸金業法の見直しを図ろうという政府のプロジェクトチームも発足したが、「遅すぎた」と知念社長は嘆く。

ジャパンクレス・知念太郎社長「多重債務と言われる人は(社会全体の)1割〜2割と言われているんですが、そこにスポットを当てて作られている法律なので、逆にそうでない人達が巻き込まれてしまっている部分というのが非常に高いような気がします」

ジャパンクレス・知念太郎社長「わが社のお客様でも半数以上が法改正によってご融資の対象外になるんですね」「見捨てて良いのという苦しい気持ちに苛まれているのが現状ではありますね」

多重債務者を救わなければいけないというのはもちろんなのですが、改正貸金業法は、ある意味、悪徳業者と、多重債務者という極端な両端に重きを置いた劇薬のため、中間にいる健全な業者と健全な借り手に厳しい影響が出てしまう可能性が大きく、国の早急な手立てが必要となっています。