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国と県が国頭村で建設計画を進めている奥間ダムについて、県企業局事業再評価委員会は、計画から撤退すべきと判断しました。これは10日、県庁で開かれた県企業局事業再評価委員会で話し合われたものです。

奥間ダム建設計画は水道用水の確保などを目的に、国と県が1993年から進めてきたもので、事業費には375億円が見込まれていました。しかし地元住民からは「やんばるの清流を破壊するものだ」として反対運動が起きていました。

10日の委員会では、計画から16年経った今も着工していないこと、そして将来的に水需要の増加が見込めず、巨額の費用をつぎ込んでダムを建設する必要性がないとして、計画から撤退すべきとの評価が出されました。委員会終了後、野崎四郎委員長は取材に対し「水の利用がだんだん低下してきている。新しいダムを必要とするかどうかというものを経済的に評価していくと、とてもじゃないがうまくいかなかったということになる」と答えました。

また、委員会を傍聴したNPO法人奥間川流域保護基金の伊波義安代表は「この潰されていくヤンバルの自然がどんな大切なものかというのを今一度、県民は考える必要があるのでは」と話していました。

一方、奥間ダムの建設に反対の意向を示し、2008年に初当選した国頭村の宮城馨村長は取材に対し「自然を活かした村づくりという観点から、ダムの建設はそぐわないということで一貫してダメだと反対してきたので、今回県が水面下でこういう判断をしたことを歓迎する」と述べ「国頭村の持つ豊かな自然を活かしたいろんな施策をうって、地域の活性化を図っていきたい」と話していました。

事業再評価委員会では今後、奥間ダム計画から県は撤退すべきとの意見を県企業局長に答申。そのあと仲井真知事が判断することになっています。