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シリーズ真夏の決戦。きょうは新基地の建設計画が着々と進む名護市の人達が今回の選挙をどのように受け止めているのかお伝えします。

雨に打たれる名護の市街地。名護十字路。破れたアーケードの屋根は放置されたままです。

商店街 名護市民「名護の街は大変ですよ」「昼間は墓場、夜は酒場ですよ。」「商売どころじゃないですね、今は」

完全失業率が県の平均を大きく上回る名護市。今回の選挙で市民の関心はどこに向いているのか?

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「名護市は母子家庭が多いので、住む場所とか困っている方の声をよく聞くのでその辺に力を入れて頂けたらと」「介護保険ですか、年金からも引かれるしまた老齢年金からも引かれる。75歳ですが、受け取る年金が少ない」「働かないと生活できないので、ちょっとアルバイトをしている」有権者の強い関心は、やはりここでも、生活に直結する年金や子育て。しかし今回の選挙で、名護市が当事者として最大の影響を被るのが基地問題です。

中曽根弘文外務大臣「米軍の抑止力はやはり何といっても維持しなくてはならない」「普天間代替施設に関する現在の政府案は何度も言っていますが」「合理的な理由なくして変更は困難」

本島中南部の基地返還の条件とされる普天間基地の辺野古への移設に固執する与党。

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民主党 鳩山由紀夫代表「(普天間の)県外移設を目指すという考えを変えるつもりはない。政権を取る前と取った後で党の重要な考えを変えるべきではない」民主党の鳩山代表はかつてこう明言していましたが、マニフェスト政権公約には、「在日アメリカ軍基地の在り方について見直しの方向で臨む」という表現に留めました。

「県外移転がマニフェストに載ることを県民、誰もが確信していました!」 民主党の政策が弱腰になったのではと指摘を受けた県連はー

民主党新垣幹事長「党内でマニフェストにしっかり県外・国外移設を書き込むことに対して一部の議員の間に躊躇があって今、こう着状態になっている」「沖縄の立場に立って、しっかり対米交渉する政権になるという思いは変わらない」民主党県連 喜納昌吉代表「(政策は)ぶれてないと私は思う。」

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対する自民党はー

自民党県連 翁長政俊幹事長「沖縄の基地問題に対しても(民主党は)一貫性が無いという思いで見ている」「民主党が言うような形で、移設問題をまた振り出しに戻して議論し直すことになると、十数年かかってもうまくいかなかった」「これこそ私は時間の無駄遣いだと思う」

仲井真知事はー

「右へ揺れたり左へ揺れたりするような事態にならない方向で、現実的な処理がされるのがいいのではないかと思いますけどね」また名護市の島袋市長は、政権交代などを想定した仮定の質問には答えない姿勢を貫いています。

今は、穏やかに見える辺野古の海。しかし、ここはかつて基地建設を強行しようとする国と反対する人達による激しい衝突が繰り返され、けが人も出た海です。辺野古区民は今、基地建設をどう考えているのか?

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「人口も少なくて、こういうところに移設が出来るのであれば、県民の危険度は今の普天間基地と比べると何十分の一、何百分の一かもしれない」

普天間基地の危険を一刻も早く無くすため、ヘリの騒音や事故の危険性を受け入れなければと語る男性。

「辺野古でもヘリは落ちている。」「本当は平和であってほしい」

戦争を体験したメンバーが大半を占める市民団体はこの日、次の選挙に向けた話し合いを持っていました。

「南部(の米軍基地)を返して北部に全部持ってくると言ってるよな そういう政策で進めてるよな北部は沖縄全体の水がめだよ」「あと30年で北部の水も飲めなくなる」「将来のことを考えてもらえばいいと思う」「自分達がいくら思っても、駄目かなと思っているができることをやるだけ」

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基地移設を推進する団体の宮城安秀代表は「政権が変わったとしても、民主党がアメリカの顔色を伺い玉虫色の対応をすれば、賛成派と反対派の両方から批判が強まるだろう」とけん制しています。

基地建設によってさらに漁場が減ることになる地元の漁師は、国による振興策によって、多くの区民がものを言えなくなり追い詰められた現状を語りました。

「私達漁師も海を埋め立てれば、漁獲量が減るということは分かる・・」「だから弁償はしてもらわんと困る」「国は分かっていながらやる訳だから」

国策によって何度も荒れてきた辺野古の海。次の総選挙の結果は、この海の将来に大きな影響を与えることは間違いありません。