※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

郵政民営化法案を参議院で否決された小泉総理が衆議院を解散、総選挙からやがて4年。その間、選挙で国民に信を問うでもなく、小泉、安倍、福田、麻生と総理がめまぐるしく代わり、9月10日の任期満了を迎えようとしています。

次期衆議院選挙は各種世論調査で「政権交代」がクローズアップされていますが、果たして麻生総理は7月解散、8月総選挙という伝家の宝刀を抜くのでしょうか。それとも衆議院の任期切れを待つのでしょうか。沖縄選挙区の立候補予定者らはすでに選挙モードに突入しています。そこできょうと明日は、沖縄選挙区で激戦が予想される1区と3区の情勢を伝えます。きょうは3区です。

09-07-07repo001.jpg

沖縄市から以北の3区。与党は現職で5期目を目指す嘉数知賢さんと、元自民党県議で無所属から出馬予定の小渡享さん。野党は元沖縄市議会議員で民主党新人の玉城デニーさんと、元県議会議員で社民党新人の新川秀清さん。与野党ともこの1年余り候補者の一本化を試みてきましたが、これに失敗し、このまま総選挙になだれ込む形となっています。

5月、自民党県連は、嘉数さん側から出されていた小渡さんの除名処分を求める申し立てを協議、小渡さんを除名処分ではなく、離党勧告処分とする最終決定を下しました。

嘉数知賢さん「私は異議を申し立てしている。処分が甘すぎると。過去の例をずっと見ても初めてなんです、離党勧告というのは」

小渡享さん「古賀誠選対委員長が沖縄に来られた時も、現職優先とするものの、元職、新人が出た場合には協議して一本化するとありましたので、それに期待していた。結局は離党勧告を受ける立場に追い込まれたという感じです」

嘉数さんと小渡さんは、これまで3区の自民党員として共に手を携え、各種選挙を戦ってきました。しかし、その2人が真正面からぶつかり合うことになった背景にはいったい何があったのでしょうか。

小渡享さん「私はずっと彼(嘉数さん)の幹事長として支えてきましたので、私の新年会、議会報告会などに彼を呼んで、来賓祝辞で話をるわけですが、その時も常々、僕の後継は小渡君だとはっきりおっしゃっていました。それがそうではないとなってしまったら、やっぱり出ざるを得ないと」

09-07-07repo002.jpg

これに対して嘉数さんは反論します。

嘉数知賢さん「私は、『私が勇退する時には、次はあなたでしょう』ということを言っていますから、今もって言っていますよ。それを向こう(小渡さん側)でどう解釈したのか分からんけれども、待てないということでしょう。私はやらなきゃいかん仕事をいっぱい抱えているんで、どうしても今期、頑張らないといかんと思っていますから、それに待てないってことは、私は約束したわけでも何でもない」

嘉数さんは動き出した科学技術大学院大学や辺野古移設などを手がけたいとして、今は勇退の時期ではないとの考えです。

嘉数知賢さん「今一番、豊富な人脈を持って政府内で口のきけるのは私しかいないという自負を持っています。だからどんなことがあっても勝たなきゃいかないと思っています」

一方、小渡さんは、中部地区が疲弊している背景には、嘉数さんが4期にわたっている間、北部の振興に偏っていたことが大きな原因だと訴えます。

小渡享さん「基地問題も絡めて(3区は)大事な選挙区なんです。それにもかかわらず振興は那覇、南部中心。それじゃだめです。中北部から有力な政治家が出なければ良くなりません」

3区の自民、公明票を2分する2人の戦いは、最終局面を迎えます。社民の新川さんと、民主の玉城さん。政権交代を目指す方向では一致しているものの、政党間の思惑もあって、互いに譲ることもなく総選挙へと突入します。

09-07-07repo003.jpg

新川秀清さん「この選挙区は、かつて社民党が議席を持っていた。東門さんが。その議席に前回、民主党が候補者を擁立して、結局は両方だめになった」「それを奪還するということになるわけです」

これに対して玉城さんは、政党間の調整が不調に終わったことで、自由に戦うだけだとしています。

玉城デニーさん「今回の衆議院選だけでなく、次の首長選挙、参議院選挙での共闘体制もしっかりと、ここから組み直していこうという話もさせていただいたと思う。ただそれについては、いやこれはこれ、それはそれだという話で、調整できなかったのが少し気にはなります」

与党も野党も内部で分裂し、修復不可能な状態の沖縄3区。総選挙に向けて抜け出るのは、そして有権者が選ぶのは果たして誰なのか。今後の4人の取り組みが注目されています。