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がんじゅうへの扉です。国内でも初の発生、そして関西を中心に感染が広がっている新型インフルエンザ。沖縄での感染報告はありませんが、冷静に正しい情報をもって対処したいものです。きょうはこの新型インフルエンザについてです。

対策強化のため今週初めに開かれた県健康管理対策委員会。そこでは政府の行動指標をひろげ、県独自の対応に乗り出すことも発表されました。

宮里統括監「必要と思われるA型陽性の患者に関してはPCR検査の精密検査まで行うことを決めたところです」

ヒトに感染するインフルエンザウイルスはA、B、そしてC型の3種類。このうち、流行するのはA型とB型で、なかでも変異しやすいA型が、さまざまな経過で新型インフルエンザへと変化することがわかっています。県では「A型」と診断された人へ「新型かどうか」を判定する精密検査を呼びかけ、A型感染者数のデータを集積するとともに県内での新型インフルエンザ発生に備えています。

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目に見えないウイルスによるインフルエンザ発生を、100パーセント防ぐのは、事実上不可能です。しかし、発生した場合でも、爆発的な蔓延を防ぐための効果的な方法はあります。

久保田先生「感染症ということで考えますと、感染の道筋というのが とても大事と。それを理解することで理にかなった予防ができると」

感染の道筋を知りましょう。インフルエンザウイルスの感染は接触、そして飛沫感染のふたつ。そして咳やくしゃみで飛沫が飛ぶ距離はおよそ2メートル。一番効果的な予防策は、実は最も基本的な行動なのです。

久保田先生「手洗い、これは先ほどの手を介した感染経路を遮断する。うがい、これは飛沫感染を、いちど貰ったものを洗い流す」

接触感染は、もちろん感染した人に直接触るだけではありません。感染者を含め、不特定多数の人々が触るところにウイルスがいる可能性があり、そこに触れた手で鼻や目、口などの粘膜にさわってしまうと、これが感染の原因になります。

帰宅したとき、人の多いところから戻った時など、頻繁に手を洗う習慣をつけることで、インフルエンザはじめ多くの感染症を防ぐことができます。洗いのこしが多いポイントを知りましょう。まずは指の間です、両手を使って念入りにあらいます。そして指先。爪は短く切って、手のひらで擦るようにすると同じく洗いにくい指や手のひらのしわもきれいになります。それから、いちばん汚れが残っているのは親指の付け根。最後に手首も忘れずに洗い流します。

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うがいは、ウイルスを流すだけではなく、ウイルスの働きを活性化する口の中の菌を減少させるという効果もあります。ですから、口をゆすいだ水でうがいをせず、まず吐き出す。次に喉をうがいしますが、このとき声を出しながらすると、水は喉の奥まで行きわたっています。うがいも習慣づけることで予防の高い効果が期待できます。

いずれももちろん、ウイルスをゼロにすることはできませんが、体に進入しようとするウイルスなど病原体数を大幅に減少させることで、感染率を下げることができる、と考えてください。

せきやくしゃみを撒き散らしている人。職場やまわりにいませんか?こんな時期なのに、無神経としかいえませんね。蔓延予防のためにぜひ実践してほしいエチケットがあります。

久保田先生「飛沫感染という感染の道筋で咳やくしゃみがあります。これをかかったひとが、うつさないためのエチケットとして」「せきエチケット」という言葉をご存知でしょうか。「ウイルスは小さいから、マスクやハンカチは無意味」というヒトがいますが、これは間違い。

せきなどによって飛びだす飛沫の大きさは、およそ5マイクロメートル。インフルエンザウイルスはさらに小さいものの、飛沫の中に含まれているため、その飛沫を防ぐことで高い予防効果が期待できるのです。

咳やくしゃみをするときはできるだけ周りの人から離れ、ティッシュやハンカチで口と鼻を覆うようにします。そのティッシュは早めに捨てるようにします。飛沫を飛ばさない、吸い込まないためにもマスクを着用するのは非常に有効です。正しく装着し、鼻や顎のあたりなど、できるだけ隙間のないようにしましょう。

インフルエンザ流行が心配されるとき、一番してはいけないこと、それは「直接病院に行くこと」です。もし新型インフルエンザだった場合、他の多くの人や医療関係者に感染してしまう二次感染の恐れがあります。

心配な人はまず電話です。昼間は各保健所で、夜間も電話受付窓口がありますので、まずは電話で確認してください。もし感染しても、県内にはタミフルなどの治療薬も十分な備蓄があります。正確な情報と知識をもって、冷静に行動すること。これが、爆発的な蔓延を防ぐのです。

県福祉保健部 宮里統括監「今回のインフルエンザもタミフルなどの薬が効きますのでパニックにならないで、冷静な対応をすれば大丈夫ですので」

久保田先生「いま個人レベルでやっている大事なことはウイルスの蔓延を急激に増やさないこと、時間稼ぎとしてゆっくりと持っていくこと」

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爆発的に蔓延してしまうと病院や企業をはじめ、社会機能がストップしてしまう恐れがあります。感染もゆっくり進行すれば行政も対応できますし、医療機関がパンクするのも防げます。気になったら、まずはご覧の保健所などにお電話を。そして何より、手洗いなどの個人でできる予防をしっかりと行ってください。