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私たちの生活に欠かせないものとなったインターネット。今や、携帯電話で、いつでもどこでもアクセスできる時代になりました。しかし、その影には多くの危険も潜んでいます。裏サイト被害の実態とは。そして、ネット社会と向き合う活動を始めたあるグループを取材しました。

那覇市内の、ある女子中学生が父親にあてた、1通のメール。

「このままだったら、死ぬ…」

思いつめた原因は、「いじめ」でした。もともと友達同士だった女子生徒との些細なトラブルが原因で、ネット上で中傷されたのです。

「修学旅行に来なければいいのに」

こうした書き込みが続き、被害者の女子生徒は学校を休みがちになりました。そして、いじめが始まって3ヵ月後、このメールを父親に送ったのです。

 

父親「このままだったら、自分死ぬかもしれないと。というもう「死ぬ」という2文字を見たときにはですね、いてもたってもいられなくて」

いじめの書き込みがあったのは、いじめた側の生徒が携帯のネット上に開設した、いわゆる「学校裏サイト」。いじめを先生に相談したその日から、サイトにはパスワードがかけられ、いじめる側しか入ることができない「密室」となりました。被害者をサイトに入れないことで、孤立させようとしたのです。

父親「入れなくても、その文面を見なくても、その子の、いじめてる側の顔を見れば、分かりますよね、どういったことが、たぶん良いことは書かれてないなと、そういう風(いじめるような)なことが書かれてるんだろうと。いうふうなことは本人も気づくでしょうね」

結局、被害者の女子生徒は、中学校を転校。学校裏サイトのいじめは、表に見えにくいだけで、被害は深刻です。こうしたなか、先月末、琉球大学で、県内の学校裏サイトや出会い系サイトなどを調査する監視チームが発足しました。監視チームは、大量の人員を使って有害情報を削除する、これまでのやり方ではなく、有害サイトでよく使われる言葉を多数インプットした監視ソフトを使って、サイトを監視する方法を探っています。それでも、監視チームの仲間正浩准教授は、過激な学校裏サイトは、県内では最近はあまり見つからないといいます。

「一番大きな影響を与えたのが、秋葉原の大量殺人の事件ですね。」

「それからは、そういう悪口が書かれてるというようなページが長い間存在するのはちょっと難しいという」

秋葉原の事件は、ネット社会で孤立した犯人が、暴走した末のできごとでした。事件以降、自殺や暴力、殺人予告などの書き込みに対するサイト管理者の目が厳しくなったというのです。

ただ、裏サイトが実際に減っているのか、検索しても表に出てこないよう、より巧妙化しているのかは、分かっておらず、実態解明には時間がかかりそうです。

一方、裏サイトよりも、子どもたちが犯罪に巻き込まれる可能性があるのが、大人の思惑が渦巻く「出会い系サイト」。その実態調査でカギとなるのが、サイトで交わされる「隠語」の解読です。

「JK」「女子高生って。」「JC、女子中学」

これらは、出会い系サイトに多い隠語。女子学生に接触したい人が間接的な表現で使っています。監視ソフトは、こうした隠語を自動検索して有害サイトをあぶり出します。そして、実際にいじめの文言や援助交際の誘いが確認できれば、学校や警察に通報するというわけです。

隠語を調べるためのこんな実験も行われました。「まぁ10代女性ということで、登録してみたんです。」すると…

わりきりとは、会うのは一度きり、ということ。ほべついちごとは、ホテル代と別で1万5千円出す、の略。援助交際を誘っているのです。こうした隠語を使って、登録した架空の女性に接触してきた人は、3日間で、県内だけで延べ385人もいました。

「君が18歳未満だったら、何万円払うよ、とか明らかに未成年を誘っていたり」

また、監視チームは、標準的な隠語以外に、方言や沖縄独特の隠語がないか現状を把握し、監視ソフトの県内での実用性を高めていくため、研究を重ねています。

「沖縄の中から出てくる裏サイト用語っていうのを、研究という形でですね、逆に発見し、できあがったものを登録していく」「例えば『たっくるせ』っていうね、やっぱりいっぱい出てきます」

青少年を危険に巻き込む有害サイト。県内ではどれだけの人が、どのように使っているのか。その実態調査は始まったばかりです。「裏サイトとはなんですか、援助交際とはどういう言葉でやられてるんですか、ってことを、みんなに知らせてあげたいなと思います」