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きょうは、敬老の日です。那覇市の平均年齢71歳の人たちで作る「創作劇いちゃりば青春」が来週の23日に公演があります。演劇をしたことのないメンバーが集まり、4月から挑戦していますが、悪戦苦闘しながら、熱の入った練習が続いています。

「私は心配で心配で、あの世から戻ってきたよ」

創作劇「いちゃりば青春」に挑戦しているのは、平均年齢71歳の高齢者14人。「かなぐすく老人憩いの家」に通うシニア演劇講座のメンバーで、ほとんどが演劇初心者の人たちです。

脚本・監督・安田辰也さん「出会ったら青春。出会いは青春の始まりということで、人とのつながりは人の人生を豊かにするんだと思いをこめて書きました」

『人づきあいが苦手な主人公、比嘉聖哲(68歳)は妻に先立たれ、家族にも敬遠され、孤独な日々を送っていた。そんなある日、地域のサークル活動に誘われ、次第に心を開いていく。仲間や生きがいを見つけることで、一人の孤独な高齢者の心の変化を描いたあらすじ』

主人公・聖哲「実はね、わんねー人と一緒にいるのが本当に苦手だわけさ」

主人公・聖哲を演じるのは、與儀巌さん(73歳)。警察官だった與儀さんは退職後、第二の人生を楽しみたいと5月からこの演劇に挑戦。しかし、家族にはこのことをまだ話していません

與儀さん「家内にも言わずに、一生懸命やって、そして自分の夫がこれだけ出来たんだと、当日に知らそうと思って(笑)」

家族にも気づかれないように、練習はもっぱら公園。せりふはもちろん、情景を考えながら表情にも気を使います。こうして練習していると不審者に間違えられ、パトカーに止められたり、時間を忘れて明け方になることだってあります。

與儀さん「今、私はパニックである。成功するかしないかだけど、充実感があります。生きているんだなと。今まで時間を無駄づかいしすぎた」

この日は、みんなで場面ごとの練習の日。ビデオをまわして細かい動きのチェックをしていました。声の大きさ、観客をどう演劇の中に引き込んでいくのか。成功に導くため、意見が飛び交っていました。

安田さん「今までにない挑戦の中で、一人ひとりが努力して輝き始めている。この23日は最高に輝く人たちを目の前で見ることができますので、ぜひ見に来てください。

與儀さん「いよいよ間近に迫りました。皆さんいろいろホントありがとう。心を一つにしていちゃりば青春」

生き生きしていて楽しそうに演劇していました。稽古場では皆さん、役柄の名前で呼び合って、すごく和気あいあいとしていました。

当日はフォークダンスや民舞などのサークルに通う高齢者もこの演劇登場して盛り上げるということです。この創作劇「いちゃりば青春」は、23日、那覇市ぶんかテンブス館で開かれます。