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全国20万隻の漁船が一斉に休漁した15日の漁師のストライキ。沖縄県内でもおよそ6000人の漁師が漁を取りやめ、窮状を訴えました。沖縄県漁連下地敏彦連合会会長は「もう漁業関係者の努力だけでは問題を解決できない」と話し那覇地区漁協国吉真孝組合長は「漁獲量は少ないし、魚の単価は上がらないし、経費はかさむし、もう大変な状況です」と厳しい状況を訴え続けています。

5年前の2.7倍にまで上昇している船の燃料の価格。県漁連は先週11日、こうした状況に政府の抜本的な対策を求めるため県内37の漁業組合の代表者を集めて総決起大会を開催。下地会長らは県内6000人の組合員を代表し15日東京で開かれた集会にも参加し他の漁業関係者とともに窮状を訴えました。大会に参加した漁師は「4、5か月前は60円位、2007年までは40円位で重油を船に給油していた。」「最低限度、50円〜60円になってもらわんとこれじゃやっていけない」「漁の範囲が狭くなってきている。あちこち行ってみたいけど、燃費のことを考えたらいけなくなって」と大幅な燃料費高騰に悲鳴をあげています。

また、燃料を売る側の業者は「たくさん獲ってきても魚が安い。魚が安い割には燃料が高いと」「漁師にも燃料の件で迷惑をかけてると思うけど、やっぱし高騰ですので、自分達もどうしようもない」と話し一方、仲卸業者が水産物を直売している泊いゆまちの業者は、「燃料が高くなってるから魚も高くなってるという思い込みで客足が止まってしまうと。消費が減りますよね」「そうすると逆効果で海人も魚のセリで良い値段が入らず、価格が暴落してしまう」と風評被害を心配しています。燃料の高騰の他に魚の価格低迷にも悩まされる漁師たち。

50年以上、漁業を生業にしてきた宮城正博さんは最近、引退を考えています。沖縄本島の南25キロの海上にあるパヤオ。周りに宮城さんの船以外見当たりません。「燃料高騰で大きな船はほとんど港を出ていない」わずか2年前には10隻以上の漁船が競うように漁をしていたといいます。「燃料が昔みたいに30円位だったらあちこちのパヤオに船を走らせて全部回れたんだが、(最近は)燃料を消費して、毎日損してるんですよ」燃料高騰に対する緊急の補てん措置と漁業関係者への税制の優遇などを求めている全国の漁師達。

若林農林水産大臣は「現在の予算、仕組みの中で最大限対策を講じるものとして対策を強化することで」ときょうの会見でコメントしています。しかし、政府の対応に危機感は感じられず、漁師の不安や不満は募る一方です。