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梅雨もあけ、まぶしい日差しが降り注いでいます。職場や自宅にいると、ついエアコンのスイッチをいれてしまう。夏場の省エネは、なかなか難しいものです。

自然の力で、夏の暑さをのりきる「緑のカーテン」をご存知ですか?植物と触れ合いながら、地球温暖化を考える取り組みが各地で始まっています。

城南小学校の子どもたちが運んでいるのは、ゴーヤーやヘチマの苗。この植物を教室のベランダに移動して、プランターに植える。子どもたちが始めたのは、窓辺に植物のカーテンを作ろうというものなんです。

市役所の壁をおおう、豊かなアイビーの葉。那覇市ではこれまでも屋上や壁面の緑化に力を入れてきましたが、市民が身近で楽しく取り組める温暖化対策として、今年からあらたに取り組んでいるのが「緑のブラインド事業」です。

那覇市環境政策課・島袋久美子さん「日差しを和らげ、室内温の上昇をおさえることができる。クーラーの使用量も減らすことができるので、省エネの推進が図れる」

つる性の植物を窓ぎわや通路にはわせる緑のカーテン。市役所まえのこのアーケードは、この事業の一環で作られました。緑のカーテンと特産品ゴーヤーを同時にPRするのが目的です。夏の日差しを遮るゴーヤーは市職員らの手によって育てられ、盛夏の8月ごろ、青々と茂る涼しい緑のアーケードが完成する予定です。

職場や自宅でも、すこしずつ緑のカーテンが広がっています。葉が日差しをさえぎるとともに、その蒸散作用によって葉っぱ近くの温度が冷やされるため、いわば天然のエアコンのような働きをするわけです。

この職場は、西日の眩しさでパソコン画面が見えないほどでしたが、緑のカーテンで穏やかな日差しになりました。

那覇市環境政策課・我那覇正さん「直射日光をさえぎって、葉がもたらす蒸散作用によって熱い風を涼しくして室内に送り込むという効果も出ているようです」

那覇市の「緑のブラインド推進事業」は市内10の小中学校でおこなわれています。夏に向けてすくすくと育つ緑のカーテン、その成長を見守るのも、子どもたちにとっては楽しい体験といえます。

城南小学校もそのモデル校のひとつ。自分たちで植えた植物でカーテンをつくり、自分の身の周りの環境を考える。城南小学校の教室のベランダは南東に面していて、景色も風通しも良いのですが、その眩しさと暑さが大変。

「とても晴れた日はすごい日差しがくるので、けっこう眩しくてカーテン閉めたりする」「とても伸びていて嬉しかったです」「もっと水をかけて、様子をみながら育てていきたいと思う」「自分が植えたのがこう(カーテンに)なったらとても嬉しい」

行動を起こせば、環境がかわる。緑のカーテンを指導する山城先生は、子どもたちにとっても大きな問題である温暖化対策を、実感しながら学んで欲しいと考えています。

城南小・山城悦子教諭「“地球温暖化”の問題は、子どもたちにはまだ難しい。それよりは涼しい生活をしていこうと、子どもの生活レベルで教えていこうと、他の先生方とも話しています」

しっかり成長し始めたヘチマやゴーヤー。自分たちの身近な環境・学校を快適にするために、子どもたちは緑のカーテンを作り始めました。環境問題をそれぞれの立場で考える取り組みは、いま青空に向かってゆっくりと始まっています。

島袋さん「地域の皆さん、市民の皆さん、商店街の皆さんが(緑のカーテンを)目にすることで、身近で取り組める地球温暖化対策として楽しく広がっていけばいいと思います」

とくにゴーヤーは水を良く吸い、葉の蒸散作用も活発で涼しさを実感することができるそうです。「緑のカーテン」は本当にすぐにでも始められそうです。

夏はエアコン、冬は暖房と便利な現代社会ですが、自然の力の素晴らしさを自分で体験するという子どもたちの取り組みは、私たち大人にも大いに学ぶところがありそうです。