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来年度の教員採用試験の採点ミス問題で、県教育庁は教育委員を集めての臨時の協議会を開きました。

協議会には県教育委員会の中山勲委員長ら4人の委員が出席。冒頭で教育庁の担当者から今回の採点ミス問題の経緯について説明を受けました。

出席した教育委員からは「あってはならないことがなぜ起きたのか」と、教育庁のずさんな管理体制を指摘する厳しい意見が相次ぎました。

中山教育委員長「そういうことが二度とあってはならないような今後を方策を取るように、責任の所在もはっきりするように厳しく教育長に伝えた」

教育委員は教育庁に対し、不利益を受けた受験者への救済策を講じるとともに、情報開示を含めた再発防止策と、来年度の教員採用計画に影響を与えないよう指示しました。

取材にあたった高江洲記者です。ここであらためて、今回のミスを振りかえってみましょう。

フリップで整理してみます。本来の試験の得点は60点満点で、1点配点をするところ、2点配点にする指示を出し、2倍の得点となりました。ここで最初のミスが起きました。

そしてコンピュータ処理の段階で、三桁の表示できなかっために下1桁が消され、その結果、このような点数が出たわけです。この時点で実は担当者はミスに気づいていたんですが、上司に報告をせず、配点を2倍にしたので単純に今度は半分にする処理を行い、6点、5.5点と表示されてしまったわけです。

更に、5.5点と実際にはあり得ない得点ですよ。これを四捨五入して6点にして結果を出すという、データの改ざんといえることまでしていましたが、ここでも上司に報告をしていませんでした。そして、これらの事に加え、5教科の7問題について正解の記入ミスも発覚し、杜撰な試験問題の実態が明らかになったということです。

当初、単純ミスと弁明していましたが、こうしてみると、何段階にもわたって、担当者の独断でミスを重ねていったわけですね。

まずは問われるべきはチェック機能が全くないということです。試験のチェックをする担当者がたった一人で(組織内で)二重、三重のチェックでミスを未然に防ぐようなシステムがなかったことが今回の問題を大きくしたと言えます。また、重要な証拠となるマークシートも廃棄処分にしてしまうミスもおかしています。大事な試験の結果を業者任せにする教育庁の責任の無さと情報管理の甘さが表われています。

今後、教育庁側の真摯な対応と被害を最小限に収めるための対策が求められますが、これからの流れはどうなるんでしょうか?

教育庁はチェック体制を強化するなど、再発防止にともに、再試験や採用枠を拡大して救済するとしていますが、具体的な方策が示されているわけではありません。何年も勉強して難関の試験に臨む人々の教育庁に対する不信感と不安はそう簡単にぬぐえないものと思います。